待ち確率の近似式(7)

待ち確率の近似式(6)」の続きです。
次に考えたのは

  • \Pi(GI/G/s)=u^{\sqrt{2(s+1)}-2}b・・・・(44)

の代わりに

  • \Pi(GI/G/s)=b^{\sqrt{2(s+1)}-1}・・・・(45)

を採用することです。ただし、b

  • b=u+(c_a-2-1)u(1-u)h(u,c_a^2,c_e^2)・・・・(39)
  • c_a{\le}1の時
    • h(u,c_a^2,c_e^2)=\frac{1+c_a^2+uc_e^2}{1+u(c_e^2-1)+u^2(4c_a^2+c_e^2)}・・・・(40)
  • c_a>1の時
    • h(u,c_a^2,c_e^2)=\frac{4u}{c_a^2+u^2(4c_a^2+c_e^2)}・・・・(41)

で求めます。


式(45)は、c_a^2=1の時(つまりポアソン過程の時)には式(39)により

  • b=u・・・・(42)

となり、式(45)は

  • \Pi(M/G/s)=u^{\sqrt{2(s+1)-1}・・・・(46)

となって、\Pi(M/G/s)の近似式になっています。さらにs=1の場合は式(45)は

  • \Pi(GI/G/1)=b・・・・(47)

となり、KraemerとLagenbach-Belzの近似式、式(39)、(40)、(41)に一致します。


では、この近似式で、c_a^2=4.0であるようなH_2/D/s待ち行列の待ち確率を計算し、正確な値と比較してみます。正確な値はWord Whitt教授の「GI/G/m待ち行列の近似(Approximations for the GI/G/m queue)」の表21(Whitt教授の「Approxomations for the GI/G/m queue」の翻訳(26)参照)から取りました。


うれしいことに、今度は誤差は大きくて0.08程度です。式(44)の時は誤差が0.2程度だったので、式(45)では精度が大幅に改善されています。