【論文翻訳】M/D/s待ち行列の根とErlang、Crommelin、Pollaczekの業績に戻る(6)

3.1 分かりやすい例
二項分布の場合A(z)=(p+qz)^n、ただしp, q{\le}0, p+q=1で[tex:A'(1)=nq2(\sqrt{2}-1)]を越えて増加すると、ゼロを含む滑らかなジョルダン曲線から2つの別々の閉曲線に変わり、(12)はもはや成立しない。
これが定理3.7の実例である。S_{A,s}を調べると、図2でS_{A,s}が0について星型ではないことが分かり、よって条件3.5が満足されておらず、そのため根を決定するのに繰り返し(14)を適用することが出来ないことがすぐに分かる。
\sigma{\ge}1の場合、z=1
\max_{z\in{S_{A,s}}}\left|\frac{d}{dz}A^{1/z}(z)\right|=\max_{z\in{S_{A,s}}}\left|\sigma{q}(p+qz)^{\sigma-1}\right|
が発生し、\sigma{q}<1に等しい(?)ことを我々は知っている(?)。\sigma\in(0,1)の場合、条件3.5は
p^{\sigma-1}q(1+\sigma)^{1-\sigma}\sigma^{\sigma}<1     (18)
の時のみ成立することを示すことが出来る。
今、q_1(\sigma)q_2(\sigma)によってそれぞれ(17)と(18)が成立するようなqの上限を示すことにする。これらの値q_1(\sigma)q_2(\sigma)を図3に\sigma\in[0,1]の関数としてプロットした。



図3: \sigma\in(0,1)における q_1(\sigma)q_2(\sigma)


(16)が成立するq([tex:q