【論文翻訳】M/D/c待ち行列の新しい結果と古い結果(3)

状態確率を計算するもう一つの方法は離散FFT法に基づいている。状態確率 p_jの生成関数 P(z)=\Bigsum_{j=0}^{\infty}p_jz^j
P(z)=\frac{\Bigsum_{k=0}^{c-1}p_k(z^k-z^c)}{1-z^ce^{\lambda{D}(1-z)}}
で与えられる。P(z)についての式が未知数p_0,…, p_{c-1}を含んでいるので、FFT法を直接適用することは出来ない。しかし、P(z)についての明示的な式をえるためにこれらの未知数を取り除くことは容易である。この方法はまず、複素平面上の領域|z|{\le}1での P(z)の式の分母のゼロ点を計算することである。分母1-z^ce^{\lambda{D}(1-z)}c個の個別のゼロ点z_0, z_1…, z_{c-1}を単位円の内部か線上に持つ。ただしz_0=1である。[5]の付録Hにこれらの根の計算のためのニュートン・ラフソン型のアルゴリズムが与えられている。このアルゴリズム1-z^ce^{\lambda{D}(1-z)}z^ce^{\lambda{D}(1-z)}=e^{2\pi{ik}}でただしi=\sqrt{-1}kは整数であるというふうに書き換える、という単純であるが強力なアイディアに基づいている。(対数をとったあとの)後者の方程式はkの個々の値について別々に解くことが出来、よってもし根のいくつかが互いに非常に近い場合に他の複雑な根を求める方法で直面する数値計算上の問題を回避出来る。[5]参照。まとめると、我々はP(z)について明示的な式
P(z)=\frac{c(1-\rho)(1^z)}{1-z^ce^{\lambda{D}(1-z)}}\prod_{k=1}^{c-1}\frac{z-z_k}{1-z_k},     |z|{\le}1.
を得る。P(z)についてのこの式はFFT法の直接的な適用を許す。