【論文翻訳】M/D/c待ち行列の新しい結果と古い結果(4)

2.2. 待ち時間確率
n番目に到着した客の待ち行列での待ち時間をD_nで示し、定常待ち時間確率をW_q(x)=\lim_{n\rightar\infty}P(D_n{\le}x)x{\ge}0で定義する。導入で指摘したように、Crommelinの先駆的な仕事においてW_q(x)についてのいくつかの明示的な式が得られている。しかし、これらの明示的な式のどれも計算のためには役立たないことが分かり、よってそれらはさらに検討されることがなかった。Crommelinの仕事の公刊からW_q(x)の計算のための満足出来る解が見つかるまで約70年が経過した。洗練されていて数値計算的に安定したアルゴリズムはFranxによって巧妙な議論を通して近年見つけられた。[4]参照。(k-1)D{\le}x{\le}kDk=1, 2,…,について
W_q(x)=\Bigsum_{j=0}^{kc-1}Q_{kc-1-j}e^{-\lambda(kD-x)}\frac{\left[\lambda(kD-x)\right]^j}{j!}
ただしj=0, 1,…についてQ_j=\Bigsum_{i=0}^{c+j}p_i、を得る。この結果はバッチ到着を持つM^x/D/c待ち行列に拡張できる。[6,5]参照。W_q(x)についての明示的な式は有限の数の正の項のみを含んでおり、よって全く数値計算に適している。このアルゴリズムパブリックドメインのソフトウェア・パッケージMCQueueに実装されている。[7]参照。