では、いままの考察を3ジョブ以上のバッチの場合に拡張することを検討します。まず、「バッチ装置の待ち行列の解析(10)」で考察した2ジョブバッチ、「なりゆきバッチルール」の場合の重負荷極限定理が容易に拡張できます。ジョブで1バッチの場合を考えて「バッチ装置の待ち行列の解析(10)」で行った考察に沿って考察を進めますと、式(64)
- ・・・・(64)
のところが
- ・・・・(91)
になります。同様に
- ・・・・(65)
が
- ・・・・(92)
になります。また、稼働率は
- ・・・・(93)
になります。よって式(67)
- ・・・・(67)
は
- ・・・・(94)
になり、式(68)
- ・・・・(68)
は
- ・・・・(95)
になります。この結果、式(73)(74)
- ・・・・(73)
- ・・・・(74)
が
- ・・・・(96)
- ・・・・(97)
になり、最終的に式(82)
- ・・・・(82)
が
- ・・・・(98)
となります。これが、ジョブバッチ、「なりゆきバッチルール」の場合の重負荷極限定理になります。ここから「バッチ装置の待ち行列の解析(11)」と同じ考察を行うと
- ・・・・(99)
という近似式を(形式的に)得ることが出来ます。さらに、リトルの法則を適用します。スループットがであることに気を付ければ
- ・・・・(100)
なので式(99)から
- ・・・・(101)
となります。
よってあとはM/M/1の場合のまたはを求めることが課題になります。