M/G/1/n待ち行列の定常状態確率の近似(2)

では、この近似をM/E_2/1/2待ち行列に適用してみます。例としてu=0.5の場合を取り上げます。使用する式は「M/G/1/n待ち行列の定常状態確率の近似(1)」の式(5)(6)

  • p(1)=\frac{2u}{2-(1-c_e^2)u}p(0)・・・・(5)
  • k{\ge}1の時
    • p(k+1)=\frac{(1+c_e^2)u}{2-(1-c_e-2)u}p(k)・・・・(6)

です。M/E_2/1/2待ち行列の場合、サービス時間の2乗変動係数c_e^2は1/2なので(「アーラン分布」参照)

  • c_e^2=\frac{1}{2}・・・・(7)

を式(5)に代入して

  • p(1)=\frac{2u}{2-\frac{u}{2}}p(0)

よって

  • p(1)=\frac{4u}{4-u}p(0)・・・・(8)

式(7)を(6)に代入してk=1を代入すると

  • p(2)=\frac{\frac{3}{2}u}{2-\frac{1}{2}u}p(1)

よって

  • p(2)=\frac{3u}{4-u}p(1)・・・・(9)

になります。ここで仮にp(0)=1とします。さらにu=0.5を代入します。すると式(8)より

  • p(1)=\frac{2}{3.5}=0.571・・・(10)

となります。さらに式(9)(10)から

  • p(2)=\frac{1.5}{3.5}{\times}0.571=0.245・・・・(11)

となります。

  • p(0)+p(1)+p(2)=1+0.571+0.245=1.816

なので、p(0)p(1)p(2)の値をそれぞれ1.816で割ります。すると

  • p(0)=0.551p(1)=0.314p(2)=0.135・・・(12)

となります。


一方、定常状態確率の正確な値は「M/E2/1/2待ち行列」の式(10)(11)(12)(ここでは番号を振り直して(13)(14)(15)とします)

  • p(0)=\frac{4}{u^3+4u^2+4u+4}・・・・(13)
  • p(1)=\frac{u(u+4)}{u^3+4u^2+4u+4}・・・・(14)
  • p(2)=\frac{u^2(u+3)}{u^3+4u^2+4u+4}・・・・(15)

u=0.5を代入して

  • p(0)=0.561p(1)=0.316p(2)=0.123・・・・(16)

を得ます。式(12)と(16)を比べると比較的よい近似になっていることが分かります。