M/G/1/2待ち行列(3)

では次に「M/G/1/2待ち行列(1)」で求めた

  • p(0)=\frac{A}{A+u}・・・・(9)
  • p(1)=\frac{1-A}{A+u}・・・・(11)
  • p(2)=1-\frac{1}{A+u}・・・・(12)
  • ただし
    • A=\Bigint_0^{\infty}\exp\left(-\frac{t}{t_a}\right)g(t)dt・・・・(16)

M/E_2/1/2待ち行列の場合に正しいのか確かめてみます。


この場合サービス時間分布が2次のアーラン分布なので「アーラン分布」の式(1)にk=2を代入して

  • g(t)=\lambda^2t\exp(-\lambda{t})・・・・(20)

と書くことが出来ます。この分布の場合、「アーラン分布」の式(10)に示したようにサービス時間の平均値は

  • \frac{2}{\lambda}

なので、サービス時間の平均値をt_eとすると

  • t_e=\frac{2}{\lambda}

よって

  • \lambda=\frac{2}{t_e}・・・・(21)

となります。式(21)を(20)に代入して

  • g(t)=\frac{4}{t_e^2}t\exp\left(-\frac{2t}{t_e}\right)・・・・(22)

となります。これを式(16)に代入すると

  • A=\Bigint_0^{\infty}\exp\left(-\frac{t}{t_a}\right)\frac{4}{t_e^2}t\exp\left(-\frac{2t}{t_e}\right)dt
  • A=\frac{4}{t_e^2}\Bigint_0^{\infty}t\exp\left(-\left[\frac{1}{t_a}+\frac{2}{t_e}\right]t\right)dt
  • A=\frac{4}{t_e^2}\Bigint_0^{\infty}t\exp\left(-\left[\frac{t_e}{t_a}+2\right]\frac{t}{t_e}\right)dt・・・・(23)

ここで

  • u=\frac{t_e}{t_a}

なので式(23)は

  • A=\frac{4}{t_e^2}\Bigint_0^{\infty}t\exp\left(-\frac{u+2}{t_e}t\right)dt・・・・(24)

となります。ここで「アーラン分布」の式(4)(ここでは数を振り直して式(25)とします)

  • \Bigint_0^{\infty}t^k\exp(-\lambda{t})dt=\frac{k!}{\lambda^{k+1}}・・・・(25)

を用いると

  • A=\frac{4}{t_e^2}\frac{1}{\left(\frac{u+2}{t_e}\right)^2}

よって

  • A=\frac{4}{(u+2)^2}・・・・(26)

となります。式(26)を(9)に代入して

  • p(0)=\frac{\frac{4}{(u+2)^2}}{\frac{4}{(u+2)^2}+u}
  • p(0)=\frac{4}{4+u(u+2)^2}

よって

  • p(0)=\frac{4}{u^3+4u^2+4u+4}・・・・(27)

次に式(11)に(26)を代入して

  • p(1)=\frac{1-\frac{4}{(u+2)^2}}{\frac{4}{(u+2)^2}+u}
  • p(1)=\frac{(u+2)^2-4}{4+u(u+2)^2}
  • p(1)=\frac{u^2+4u}{u^3+4u^2+4u+4}

よって

  • p(1)=\frac{u(u+4)}{u^3+4u^2+4u+4}・・・・(28)

次に式(12)に(26)を代入して

  • p(2)=1-\frac{1}{\frac{4}{(u+2)^2}+u}
  • p(2)=1-\frac{(u+2)^2}{4+u(u+2)^2}
  • p(2)=1-\frac{(u+2)^2}{u^3+4u^2+4u+4}
  • p(2)=\frac{u^3+4u^2+4u+4-u^2-4u-4}{u^3+4u^2+4u+4}
  • p(2)=\frac{u^3+3u^2}{u^3+4u^2+4u+4}

よって

  • p(2)=\frac{u^2(u+3)}{u^3+4u^2+4u+4}・・・・(29)

式(27)(28)(29)は「M/E2/1/2待ち行列」の式(10)(11)(12)と一致します。よってM/E_2/1/2の時にも式(9)(11)(12)(16)が正しいことが分かりました。