コンピュータ創世記(10)

1948年のクロード・シャノンの論文「通信の数学的理論」の一番分かりやすい功績は情報量という量を定義したことである。この論文は情報量の単位としてビットという単語を提案したが、それは今ではありふれた言葉になっている。情報という、それまで曖昧模糊であると思われたものが量として測れるもの(「もの」と言っても物質ではないが)であるならば、その性質を探求することが可能であることが誰の目にも明らかに思われた。そしてそこから情報工学という一つの大きな学問分野が拡がり発展していくことが予想出来た。
そして改めてENIACの内部で何が起こっているのかを振り返ると、それは情報というものを処理している、ということも人々は理解できた。


コンピュータの歴史はまだこのあとも続くが、それは「創世記」というタイトルからは外れていくので、ENIACが出現し、コンピュータビジネスが始まり、情報工学の基礎が定まった1948年でこのつたない文章を終えたい。ここまで読んで下さった方に感謝いたします。書いていて自分の力不足をものすごく感じましたが、今後、知ったことを徐々に追加していきたいです。