EDVACに関する第一草稿(First Draft of a Report on the EDVAC) 3.検討の手順 (フォン・ノイマン著)

3.1.

  • 2.0の分類が完了したので、今や、装置がそのように分割されるのを見た5つの特殊部分を取り上げ、ひとつひとつ検討することが可能である。そのような検討はこれらの部分のそれぞれについてそれ自身についてと、互いの関係について要求される特徴を明らかにしなければならない。それはまた、算術演算を実行し、一般的な論理制御を提供する際に、装置の観点から数字を扱うのに使用される特殊な手順を決定しなければならない。タイミングと速度に関する、そしてさまざまな要因の重要性の比較に関する全ての疑問はこれらの考察の枠組み内で解決されなければならない。

3.2.

  • 理想的な手順は、5つの特殊部分をある明確な順序で取り上げ、その中の個々の1つを徹底的に扱い、先行しているものが完全に決着がついたのちにのみ次に進む、というものだろう。しかしこれはほとんど実行不可能にみえる。さまざまな部分の望ましい特徴や、それらに基づく決定は、少々ジグザグした検討の後にのみ現れる。よってある部分を最初に取り上げ、不完全な検討ののちに2番目の部分に進み、2番目についての同様に不完全な検討ののち、組み合わされた結果とともに最初の部分に戻り、最初の部分の検討を拡張するがまだ結論を出さず、次にたぶん3番目の部分に進むなどのことが必要である。さらに、特殊部分についてのこれらの検討は、一般原理、演算手順、使用される素子、などに関する検討と混ざり合うだろう。
  • このような検討の過程でそれらを保証するのに最適と思われる、望ましい特徴と配置が、装置とその制御がかなり明確な形をとるまで、徐々に具体化する。先に強調したように、これは物理的な装置にだけでなく装置の機能を制御する算術的配置や論理的配置にも適用される。

3.3.

  • この検討の過程で、1.4の観点、つまり誤動作の検出や位置、若干の条件下での修正に関する問題も若干の検討を受けなければならない。つまり、エラーのチェックのための機構に注意が払われなければならない。我々はこの重要な課題について完璧には何も出来ないだろうが、それが重要と思われる時には少なくとも大雑把にでもそれの考察を試みるだろう({}を参照)。