ロードポートネック

通常、装置には複数のロードポートが備えつけてあります。これは、1つのロードポートで処理の終わったFOUPを未処理のFOUPと交換する間に別のロードポートにあるFOUPの処理を行うことによって、装置が空くのを防ぐためです。
下の図はロードポートの数が2の場合の各ロードポートガントチャートの例です。

なお、t_eは装置の処理時間、CETキャリア交換時間を表します。
ところが、キャリア交換時間CETが長過ぎると、FOUPを交換している間に、他のロードポート上のFOUPの処理が全て終わってしまい、装置は空いてしまうことになります。例えば、ロードポートの数が2のときの下の図のような場合です。

ここで重要なのは、装置を待っているロットがたとえ常に存在するとしても、キャリア交換時間CETが長過ぎるために装置が空いてしまう、ということです。これは(搬送時間とロードポートを考慮しない通常の待ち行列では起きない現象です。この現象をロードポートネックと呼ぶことにします。

上の2つの図では処理時間t_eキャリア交換時間CETも一定の値であるように描いていますが、これらは理解をし易くするためです。一般には処理時間t_eキャリア交換時間CETも変動しますので、ガントチャートも複雑になります。

また、第1種トラップサイクルタイムを長くする影響があるだけですが、ロードポートネックは装置の利用率の上限を低くする、すなわち装置のキャパシティを悪化させる影響があるので、より深刻です。キャパシティが低くなれば、たとえこのステーションに与えられたスループットステーションキャパシティ未満であったとしてもそのサイクルタイムは長くなるので悪影響はより深刻です。よって、なるべくロードポートネックは解消されなければなりません。