ロードポートネックの判定式(とが変動しない場合)

ロードポートネック」では、ロードポートネックの存在について述べました。では、ロードポートネックが発生する条件はどんなものでしょうか? 一般的には処理時間t_eキャリア交換時間CETは確率的に変動する変数ですが、その場合をいきなり考察すると大変なので、まず、処理時間t_eキャリア交換時間CETも変化しない場合を考え、そののちに、これらが変動する場合を考察します。

t_eCETが変動しない場合

この場合、ロードポートガントチャートを書くことによって容易にロードポートネックが発生する条件を求めることが出来ます。例として装置にロードポートが2つある場合の、ロードポートネックが発生しているガントチャートを書いてみましょう。するとそれは以下のようになります。

次にロードポートが3つある場合のロードポートネックガントチャートは次のようになります。

これらのガントチャートから、装置のロードポート数をLPで表すとすると、

  • CET>(LP-1)t_e

の時にロードポートネックが起きることが分かります。そして、ロードポートネックが起きた時の装置の利用率の最大値u_{max}

  • u_{max}=\frac{LP\times{t_e}}{t_e+CET

であることが分かります。
まとめると

  • CET\le{(LP-1)t_e} ならば
    • u_{max}=1
  • CET>(LP-1)t_e ならば
    • u_{max}=\frac{LP\times{t_e}}{t_e+CET

となります。
興味をひくことは、CETがある値(つまり{(LP-1)t_e})を越えなければu_{max}=1のままである、ということです。つまり

ということです。下のグラフはt_e=3分、LP=3の場合のCETと装置の利用率の最大値u_{max}の関係ですが

CET=6分のところに、「しきい値」があるのが分かります。
ロードポートネックの判定式(teとCETが変動する場合)」につづきます。