「サイバネティックス 第2章「群と統計力学」から(2)」のつづきです。第2章「群と統計力学」の引用を続けます。
ひじょうに興味のある場合は、いわゆる’エルゴード的’あるいは’測度可遷的(metrically transitive)’と呼ばれる場合であって、変換または変換の集合は、その測度が0でも1でもないような点の如何なる集合をも不変にしないときである。このような場合には、(どちらのエルゴード定理に対しても)がある範囲の値をとるようなの集合の測度は、ほとんど常に1か0となる。これはがほとんど常に一定でなければ不可能なことである。
したがってがほとんど常にとる値は、(2.23)となる。
すなわち、クープマンの定理では、(2.24)
を得、またバーコフの定理では、測度0または確率0のの値の集合を除いて、
(2.25)を得る。の場合にも同じような結果が成立する。こうして、ギブスが位相平均を時間平均でおきかえたことが正当化される。
さて「[サイバネティックス 第2章「群と統計力学」から(1)]」からここまでの引用で、
- 変換/変換
- ノイマンとクープマンの定理/バーコフの定理
の組合せがありました。これらの全部を考察するのは今の私には大変なので
- 変換を用いた時のバーコフの定理
を採り上げて、その意味するところを考えてみようと思います。「バーコフの個別エルゴード定理」に続きます。