(妄想)4月の星座
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- 北斗七星が高く上がっていますね。
- おおぐま座ね。あれはアルテミスに仕えていたニンフのカリストー。そして、こぐま座はその息子アルカス。アルテミスの怒りに触れて熊に変身させられたカリストーを息子のアルカスが狩でしとめようとしたの。それを大神ゼウスが2人とも空に上げて、子供が母親をあやめないようにしたというわけ。もとはと言えば、ゼウスが悪かったわけなのだから。
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- どうしてですか?
- だって、カリストーを妊娠させたのはゼウスで、それをアルテミスがいかったのだから。
- だとしたら、アルテミスはいかる相手を間違えていますね。大神ゼウスに魅入られたら、逃れるすべはないわけですから。
- (微笑んで) そう、えてして世の中はそういうものよ。
- あれは、かに座
となりは、しし座、
その下に伸びるのは、うみへび座。
ともに英雄ヘラクレスが退治した怪物たち、ということになっているわ。もっとも、かに座は神話でも、ぱっとしないけど。
- ネメアの森に住んでいた不死身の獅子ね。ヘラクレスに課せられた十二の功業の最初のものね。ヘラクレスはこの獅子を弓で殺すことが出来なかったから、首を腕でしめて気絶させたの。その皮を剥いで自分の頭と肩にかけるようになったのね。
- でも不死身の獅子なら、皮を剥がれたらどうなってしまうのですか?
- 心配しなくても今は星座になっているから大丈夫よ。レルネのヒドラは頭が九つあって、その頭を切ってもまた生えてくるのね。だから、ヘラクレスが頭を切り落とすと甥のイオラオスが松明で切り口を焼いて再生するのを防いだの。かには、その時にヘラクレスの足をはさんで邪魔したんだけれどあえなく踏み潰されてしまった。でも、ヘラクレスに対抗したということでヘーラー女神はヒドラもかにも星座にしたというわけ。ヘーラーはヘラクレスを大層お憎しみだったから。・・・・・怒りを歌え女神よ、白い「かいな」の女神ヘーレーのその怒りをば・・・(ここまで歌ってから、こちらを見て、オヤオヤという顔をする。)