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2.2. 関係する混雑尺度
期待待ち時間のほかに、他の4つの関係する平均値も考察する。を(到着の瞬間ではなくて)任意の時刻の待ち行列長(待っている客の数。サービス中の客は数えない)とし、を任意の時刻でのビジーなサーバの数であるとし、を任意の時刻でのシステム内の客の数であるとし、を客の滞在時間(待ち時間プラスサービス時間)であるとする。明らかにでありである。ただしはサービス時間である。よって
- ・・・・(2.1)
また、リトルの法則[(異なる記法で)関係、HeymanとSobel (1982, セクション11.3)、Franken, Koenig, Arndt, Schmidt (1981, 第4章)、Whitt (1991)]から
- ・・・・(2.2)
モデルの独立性の仮定がなかったとしても、(2.1)と(2.2)内の全ての公式は正確である。その結果、複雑なオープン待ち行列ネットワーク・モデルにおいて、これらの関係はいかなる仮定もなしで有効である。特にとは到着レートとサービスレートにのみ依存するので、もしこれらが分かっているならば、(2.2)におけるとは正確である。は(2.1)によってしばしばの大きな部分なので、の任意の適切な近似はしばしばの非常に近い近似をもたらす。
例1 上記の(2.1)と(2.2)の正確な関係式の威力を示すために、我々はであるモデル内の(システム内の客の期待数)に興味があるとしよう。表5から我々はの正確な値は2.55であるのを見るが、以前のQNA近似(Whitt 1983a, セクション5.2)と新しい近似はそれぞれ3.10と2.67である。よってについて、相対誤差パーセンテージ(100×|正確−近似|/正確)はそれぞれ21.6%と4.7%である。(この比較は我々の新しい近似から得られるものを示している。) しかし我々はを正確に知っている。(2.2)により。よって、の正確な値は20.55であり、一方、近似値は21.10と20,67である。について2つの近似の相対誤差パーセンテージはよってそれぞれ2.7%と0.6%である。についての両方の近似は、主に(2.1)と(2.2)の正確な関係式によって、非常に近い。
、、を与えると、、、の4つ全てを求めるのに、(2.1)と(2.2)に従って4つのどれか一つを決定すれば充分である。よって私はについての近似を開発し、次に(2.1)と(2.2)を適用して、、の近似を求める。我々はとの近似値を正確な値と比較する。そこでは1つの近似だけが必要である。例1はとの対応する近似の相対精度は必然的によりよく、しばしば相当によいことを示している。