第2章 在庫制御:EOQからROPまで の概要
数学の工場管理への最も早い適用の一つはFord W. Harris (1913)の製造ロットサイズを決定するための最適発注量(EOQ)モデルの提唱であった。この章は最初にEOQモデルについて検討し、次に動的ロットサイズ決定のためのWagner-Whitin手続き、需要が確率的に変動する場合を扱う統計的在庫モデルとして新聞売りモデル、ベース・ストック・モデル、モデルの3つを検討する。
新聞売りモデルは、これは一日の始まりに(たとえば新聞を)購入し、確率的な量だけ売り、そして残りを捨てなければならない(つまり在庫を持つことが出来ない)状況を扱う。ベース・ストック・モデルは、目標在庫レベル(ベース・ストック・レベル)を適切に設定する問題を扱う。ただし、発注は一度に1個ずつ行うものとする。モデルは、在庫レベルが以下になった時に個の発注をする場合の適切なとを決めるためのモデルである。これらは、この分野で今まで提案された厖大な数のモデルのごく一部に過ぎない。
これらのモデルはいくつかの基本的な洞察を提供する。
これらのトレードオフは生産活動上の事実である。ジャストインタイムの擁護者が言う忠告「在庫は悪」あるいは「セットアップは悪い」はマネージャを有用な方針に導くことはほとんどない。これとは反対に、在庫と補充頻度と顧客サービスのダイナミクスを理解することは、以下のような質問に答えることに役立つ。
- どのセットアップが最も問題か?
- どれだけ在庫が多すぎるか?
- 顧客サービス・コストにおける改善はどれだけか?
- もっと信頼性の高いベンダーはどれくらいの価値があるか?
我々はパートⅡで在庫(仕掛)に関するさらなる洞察を開発し、パートⅢの「第17章 サプライチェーン・マネジメント」で仕掛管理の実際的考察に戻る。