かぶらこさん(伊射波(いざわ)神社)

今日は仕事がお休みでした。
以前、伊勢白山道氏の写真集「太陽と大自然の神々の地、伊勢」で写真を見て「これは一度行かねば」と思った「かぶらこさん」こと「伊射波神社」に今回行くことが出来ました。場所はちょっと交通の不便なところにあります。

バスの終点までたどり着いて(たまにしかないバスの時刻に合わなかったので、ここまで駅から1時間近く歩いてきた)、さて、ここからどっちに行ったらいいものか、と思っていた時に、地元のご老人に出会いましたので、その方にこの神社へ行く道を聞きました。この写真に写っている方です。聞けば、この方は神社の近くの畑まで行くとのこと。そのまま先に行ってしまうように見えました。私が夢中になってまわりの風景を写真に撮っていたので、私はこの方に遅れてしまいました。ところが、この方、見えなくなったところで実は私を待って下さっていたのでした。つかず離れずの心地よい感じで、要所要所で道を教えて下さいました。



ご老人は自転車を置いて、「こっちの方が近道だから」と狭い道を登っていきました。周りの緑がとても鮮やかで、私はついつい写真を撮るために立ち止まってしまいます。周りの木々や竹林や草の圧倒的な生命力を感じて何か不思議な気がしました。その緑の中でこの世にこのご老人と私の2人しかいないような。そしてこの方が道を教えて下さっている。そんな気がしました。



海が見えたので、私はまた写真を撮るために立ち止まってしまいます。「あとは堤防に沿って進んで、右にくっと曲がって、それで着くから。気いつけて・・・」 私はお礼を言って先に進みました。



伊射波神社の鳥居です。海辺にあります。写真を見た時にこのたたずまいに私は魅せられていました。そして今日来て、期待以上にすがすがしい景色にうれしくなりました。



水はきれいです。



ここから本殿まで階段を上るのですが、不規則な形の石を積み上げた階段は登りづらいです。それに、本殿はけっこう上のほうにあって、かなりしんどかったです。登りながら、私は「下りが大変だろうな」と思っていました。下りは・・・・予想どおり、登りよりもっと大変でした。ころぶと、そのまま海まで転げ落ちそうでこわかったので、ゆっくり降りましたが、もう、足首が悲鳴を上げていました。


本殿の前の拝殿は、ちょっと残念なことに最近建て替えられたようで、ガラスがはめられていて、神々しさが半減する感じがしました。そのため拝殿と本殿は写真を撮っていません。地元の方でしょうか、5,6名の男性が境内を清掃してみえました。伊射波神社の神前では、それまで見た風景のすばらしさに私はただ「ありがとうございます」とだけ心で言ってお参りしました。



足首の悲鳴を感じながら、また、海岸まで降りてきました。海の青と木の緑と鳥居の組み合わせが素敵でした。ここは、以前訪れた粟皇子(あわみこ)神社と同じくらい、私のお気に入りの神社になりました。