アントーニーヌス・ピウス

マルクスの養父。マルクスの前のローマ皇帝。下の引用で「父」とあるのは彼のこと。

父からは、温和であることと熟慮の結果一旦決断したことはゆるぎなく守り通すこと。いわゆる名誉に関してむなしい虚栄心をいだかぬこと。


(神々からは)統治者、また父として、私の父のような人物の指導の下にあったこと。


昔使われていた表現は今ではもうすたれてしまった。同様に昔大いにうたわれた名前もある意味で今はすたれた。たとえばカミッルス、カエソ、ウォレースス、デンタートゥスや後のスキーピオカトー、それからまたアウグストゥスハドリアーヌスとアントーニーヌス。すべてすみやかに色あせて伝説化し、たちまちまったき忘却に埋没されてしまう。


あらゆることにおいてアントーニーヌスの弟子としてふるまえ


(「自省録」マルクス・アウレーリウス著、神谷美恵子訳 岩波文庫より)