How Factory Physics helps simulation:8.CONWIPの法則


上位エントリー:Charles R. Standridge: How Factory Physics helps simulation 概要
How Factory Physics helps simulation:7.利用率の法則」の続きです。

ConWIPはContant WIP(一定WIP)の略である。ConWIPは1つのワークステーションあるいはワークステーションのグループで許されるWIPの最大量が予め指定されたパラメータであることを意味する。HoppとSpearman (2000)は、かんばんシステムがConWIPシステムの特別なケースであると議論している。ConWIPシステムとかんばんシステムはプル・システムであり、そこでは製品は顧客需要に反応して生産されるが、対照的にプッシュ・システムでは製品は予想需要を満足するためにスケジュールされる。
 大部分のシミュレーション言語はプッシュ・システムをモデル化することを指向しているが、大部分の現代的な生産システムはプル・システムである。よって、プッシュ・システムの枠組み内でプル・システムをモデル化することがなされなければならない。
 ConWIPシステムのためにこれを達成するひとつの方法は以下の通りである。到着は、在庫から取り除かれる製品の顧客需要と対応している。これは追加の生産の需要を引き起こす。しかし、生産を開始することはConWIP制御システムからの許可を必要とする。この許可は、現在処理出来るエンティティの数と等しいユニットの数を持つリソースとしてモデル化される。
 Frimard (2003)は図5に示す生産と較正のシステムをモデル化しシミュレートするためにこれらのアイディアを用いた。

  • 図5: 生産と較正のシステム

 ConWIP制御はWIPラックを用いて実装される。バッチエリア内の1つの生産バッチは、生産が開始出来る前に使用可能になっていなければならない1個のラックに詰め込められる。較正が実施される1個流しエリアでは一度に1個のラックしか存在出来ない。
 リソースはWIPラックをモデル化し1個流しエリアでのWIPラックの数を制御するために用いられる。シミュレーション実験はスループットを制約することを避けるのに必要なWIPラックの最小数を決定するために用いられた。この数は14個と決定されそれは最初のシステム設計に一致していた。1個流しロジックがモデル内に正しく実装されていることをチェックするためにアニメーションが用いられ、そしてシステムの運用において効果的であることを証明した。