法則(CONWIPの頑丈さ)

  • 法則(CONWIPの頑丈さ):
    • CONWIPシステムは、ピュア・プッシュ・システムに比べてWIPレベルにおける誤差に対してより頑丈である。
  • CONWIPではWIPが一定になるようにジョブのラインへの投入を制御し、プッシュ・システムではスループットを直接制御します。この法則の前提としてプッシュ・システムはスループットを一定に保つ(一定間隔でラインにジョブを投入する)ような場面を想定しているようです。上の法則が言いたいことは、CONWIPにおいてWIPレベルを最適値に設定しなかったとしても、最適値からの少しのズレならばほとんどパフォーマンスに影響がないが、プッシュ・システムにおいてスループットを最適値に設定しなかった場合、設定値と最適値の間のズレの影響は、パフォーマンスにより大きな影響を与える、というものです。より簡略に言えば、CONWIPはプッシュ・システムより安定している、ということです。
  • これはWIPスループットに与える影響と、スループットWIPに与える影響を比べると分かります。通常ラインはスループットをなるべく大きく、サイクルタイム(=TAT)をなるべく小さく出来るようなWIPレベルで運用されるでしょう。そうは言っても両者はトレードオフの関係にあるので、やはりどこが最適なのかを決めるのは困難ですが。現実的なワーストケースのところで少し述べたように、通常、ラインのWIPスループットの関係は、下記グラフのようになり、最適WIPと思われる部分は下記グラフに示したあたりになります。

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