第14章 ショップ・フロア・コントロール の概要

この章では、

  1. ショップ・フロア・コントロール・モジュールを設計する前に解かなければならない問題の概観
  2. ショップ・フロア・コントロール・モジュールの基礎としてのCONWIPの検討
  3. CONWIP方式の拡張
  4. 短期のノルマへの進捗を測定するための製造の追跡と長期の他の計画モジュールのためのキャパシティ・データの収集と有効性の確認

について述べる。
ショップ・フロア・コントロール・モジュールは製造工場内の最も低レベルで現実的な仕事のいくつかを遂行しているが、それはシステムの全体効率において重要な役割を果たし得る。よく設計されたショップ・フロア・コントロール・モジュールは生産計画制御階層における上位モジュールに対して予測可能な環境を確立する。
どのような工場に対しても均一なショップ・フロア・コントロール・モジュールを適用することは現実的ではなく、生産環境に適したカスタマイズが必要である。そこでこの章は読者がショップ・フロア・コントロール・モジュールを設計する際の参考材料を提供する。単純な基本CONWIPシステムから記述を始めて主要な問題を強調し、タンデムCONWIP、共用リソースの扱い、複数製品ファミリーの扱い、組立ラインへの適用、といったより複雑なさまざまな問題に合うようにそれを拡張する。また、CONWIPではないプル・システムとしてかんばんボトルネックからのプルについて検討する。
もし、適用したい生産環境でCONWIPが動作するならば、これは最も単純で最も頑強なソリューションである。もしそれが動作しないならば、ボトルネックからのプルのような、より複雑な機構が必要であろう。
上記4は、適切なフィードバックは製造計画制御システムが効率的であるために「必須の」機能であることを述べる。おもに2つのフィードバック機構が存在する。統計的スループット制御は、工場がスケジュール通り進捗しているかどうかを監視する。また、長期キャパシティ追跡は、総体と労働力の計画やノルマの設定のような他の計画機能への入力を提供する。
ショップ・フロア・コントロール・モジュールは効率的な製造計画制御システムにおける初めの一歩であるだけでなく、非常に重要な一歩である。


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