ケリーネットワークの積形式解の存在証明の試み(再挑戦)(3)
「ケリーネットワークの積形式解の存在証明の試み(再挑戦)(2)」の続きです。
- ・・・・とだけが異なっています。さて、どうしたらよいでしょうか?
ちょっとズルいのですが、
- ・・・・・・(9)
と仮定しようと私は考えました。というのは定義により状態と状態はステーションにおける各クラス毎のジョブ数が同じで、他のステーションの状態はまったく同じであるので、もし「複数クラスを持つM/M/m待ち行列(5)」の最後に書いた
ということがもしこのネットワークの場合にも成り立つのであれば(9)が成り立ちます。式(9)が成り立つかどうかの保障はありません。式(9)を仮定した結果求められた解が(9)を満たすかどうかあとで確かめ、もし満たすのであればこれで正しい解(少なくとも正しい解の1つ)であると考えます。
そうすると式(8)は
-
- ・・・・・・(10)
となり、式(1)
- ・・・・・・(1)
と比較すると
と各項が対応するので式(2)
- ・・・・・・(2)
のを用いて式(10)は
- ・・・・・・(11)
と解けるはずです。さらに式(3)
- ・・・・・・(3)
を用いると式(11)は
となり、この右辺に式(2)を用いると
- ・・・・・・(12)
となります。ここから「複数クラスを持つM/M/m待ち行列(5)」と同様の考察を行えば
式(13)から各ステーションにおいて各クラス毎のジョブ数が同じでジョブの順序だけが異なる状態は皆、同じ定常状態確率を持つことが確かめられるので上記式(9)の仮定が矛盾ないことが確かめられます。よって式(13)が成り立つことが分かります。
これでケリーネットワークの積形式の存在を証明出来ました。
やったね!