- 作者: プラトン,藤沢令夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1967/01/16
- メディア: 文庫
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今日は・・・・パイドロスかあ・・・・。忘れたなあ。
これを買ったのは、エジプト神話らしきものがその中にある、という、哲学とは関係のない関心からでした。
ソクラテス よろしい。ぼくの聞いた話とは、次のようなものだ。----エジプトのナウクラティス地方に、この国の古い神々のなかのひとりの神が住んでいた。この神には、イビスと呼ばれる鳥が聖鳥として仕えていたが、神自身の名はテウトといった。この神様は、はじめて算術と計算、幾何学と天文学、さらに将棋や双六などを発明した神であるが、とくに注目すべきは文字の発明である。ところで、一方、当時エジプトの全体に君臨していた王様の神はタモスであって、この国の上部地方の大都市に住んでいた。ギリシア人は、この都市をエジプトのテバイと呼び、この王様の神をアンモンと呼んでいる。テウトはこのタモスのところに行って、いろいろの技術を披露し、ほかのエジプト人たちにもこれらの技術を広くつたえなければいけません、と言った。タモスはその技術のひとつひとつが、どのような役に立つものかをたずね、テウトがそれをくわしく説明すると、そのよいと思った点を賞め、悪いと思った点をとがめた。・・・・だが、話が文字のことに及んだとき、テウトはこう言った。
「王様、この文字というものを学べば、エジプト人たちの知恵はたかまり、もの覚えはよくなるでしょう。私の発見したのは、記憶と知恵の秘訣なのですから。」----しかし、タモスは答えて言った。
「・・・・・いまもあなたは、文字の生みの親として、愛情にほだされ、文字が実際にもっている効能と正反対のことを言われた。・・・・あなたが発明したのは、記憶の秘訣ではなくて、想起の秘訣なのだ。また他方、あなたがこれを学ぶ人たちに与える知恵というのは、知恵の外見であって、真実の知恵ではない。・・・・・」
めずらしくアテナイの市壁から出て、イリソス川のほとりに座っていたソクラテスはこんなことを話し出します。それに対してパイドロスは
と、あきれます。
そこから読み進めると・・・・・あぁぁぁ・・・(プラトンは)また、いろいろと宿題を・・・・・。
私に宿題を与えます。
そもそもこの話は
- 「ものを書くということについて、それが妥当なことであるとか、妥当なことではないとかいった問題」
を検討するために登場したのでした。その問題に関わりだすと、今日のエントリは終らなくなってしまうでしょう。
そうそう、私は、上に引用した話が本当にエジプトに伝わっていたとは信じていません。