BCMPネットワーク(4)

BCMPネットワーク(3)」の続きです。

例:単一クラス、負荷独立、オープンネットワーク
ここで到着プロセスは一定の率\lambdaポアソン分布である(到着に関して負荷依存はない)。またサービス率は固定である。もしノードがFCFS、または、PS、またはLCFSPRならば、1台のサーバしか存在しない。よって

  • P(\bar{N}=\bar{n})=\prod_{i=1}^Mp_i(n_i)

ただし

ただし\rho_i

ただしR_iはノードiでサービスを要求するクラスの集合である。あなたはこの結果を自分で確認することが出来るはずである。それはこの記法の全てになじむのに適した練習である。A(\bar{n})\rho_iの定義に吸収されてしまっていることに注意しよう。この結果は若干、直感的に納得出来るに違いない。それはシステムが、適切な到着率を持つM/M/1(あるいはM/M/∞)待ち行列に分解出来ると言っている。


例:クローズド、複数クラス、負荷独立BCMPネットワーク
 多くのコンピュータ・システムの例は負荷独立サーバと複数客クラス(しかしクラスの変更はない)とクラス毎に固定の客数を持つ。ここで

  • P(\bar{N}=\bar{n})=\frac{1}{G}\prod_{i=1}^Mp_i(\bar{n_i})

  • p_i(n_i)
    • CFSタイプの時
      • =n_i!\left(\frac{1}{\mu_i\right)^{n_i}\prod_{r=1}^R\frac{1}{n_{r,i}!}V_{i,r}
    • PS、LCFSPRタイプの時
      • =n_i!\prod_{r=1}^R\frac{1}{n_{i,r}!}\left(\frac{V_{i,r}}{\mu_{i,r}\right)^{n_{i,r}}
    • ISタイプの時
      • =\prod_{r=1}^R\frac{1}{n_{i,r}!}\left(\frac{V_{i,r}}{\mu_{i,r}}\right)
  • n_i=\Bigsum_{r=1}^Rn_{i,r}

であることに注意


例:イーサネット接続されたクライアント・サーバ・システム
 ここでイーサネットによってサーバに接続されている固定の台数mのクライアント・ワークステーションからなるクライアント・サーバ・システムを考察しよう。サーバは1台のディスクと1個のCPUから成る。端末とサーバ間のイーサネット接続は以下の負荷依存サービス率を持つサーバとしてモデル化出来る。

  • k=1の時
    • \mu(k)=\left(\frac{1}{N_p}\cdot\frac{L_p}{B}+S\cdot{C}(1)\right)^{-1}
  • k>1の時
    • \mu(k)=\left(\frac{1}{N_p}\cdot\frac{L_p}{B}+S\cdot{C}(k+1)\right)^{-1}

ただし

  • C(k)=(1-A(k))/A(k)

は1要求あたりの平均衝突回数であり

  • A(k)=(1-1/k)^{k-1}

は伝送成功の確率であり、kはネットワークを使用したいワークステーションの数である。\mu(k)に関する式の中の他のパラメータについては、N_pは1要求あたりに発生する平均パケット数で、Bはネットワークバンド幅(単位:ビット/秒)、Sはスロット期間(言い換えれば、衝突検出のための時間)で\bar{L}_pは平均パケット長(単位:ビット)である。