13.4.1.ファイル配置:Quantitative System Performance
「13.4.運用方針とシステム・ソフトウェアの変更」の続きです。(目次はこちら)
13.4.1. ファイル配置
性能はしばしば、ディスクや他のI/Oサブシステム・コンポーネントに渡って負荷のバランスをとる目的で、ファイルのデバイスへの割当てを変えることによって改善することが出来る。モデル内でそのような修正を表現するためのパラメータ変更は簡単である。もし、関係するディスクが同一機能であれば、主要効果は(3台のディスクの場合)以下のように表現出来る。
もし実効ディスク・サービス要求時間の競合要素の減少が予想されるならば、解析者は上述のようにシークと、レイテンシーと転送の要素のバランスをとって、第10章の技法を用いるべきである。
もし関係するデバイスのスピードが異なるならば、さらに作業が必要になる。ベースライン・モデルでのサービス要求時間は訪問回数と1訪問あたりのサービス時間の積として見られなければならない。バランスをとったのちの台のディスクの各々におけるサービス要求時間は以下の式で与えられる。
と
よって、負荷のバランス化はデバイスでのサービス時間をあまり変化させない(例えば、シーク・パターンの変更によって)と、そして物理的I/O操作の総数は変わらないと仮定する。個々のディスクのサービス要求時間は以下である。
よって、我々はファイルのディスクへの割り付けを、容量制約を越えることなく、個々のディスクに割り付けられたファイルへの訪問回数が
を近似的に満足するようになるように探す。
上記の方法は通常、I/O負荷のバランスを近似的にとる際にのみうまくいく。さまざまなディスクでのサービス時間は実際にはシーク・パターンの変化や副次効果のせいで変わる。またある1日の1つの期間に観測されたアクセス・パターンに従ってI/O負荷のバランスを注意深くとることは、その日1日中での負荷バランスをもたらさない。結局、I/Oバランスをとる際は、負荷ピーク期間には最も考慮が与えられるべきであるが、他の期間への影響は考慮されるべきである。
ある構成へのディスクの追加を表現する時には、同時にI/O負荷のバランス化を試みるのが適切である。セクション13.6の例はユーザ・ファイルの配置を変えながらI/O負荷バランスの効果の見積もりを例示している。
「13.4.2.メモリ・アロケーション」に続きます。