13.4.4.OSのアップグレード:Quantitative System Performance

13.4.3.チューニング・パラメータ」の続きです。(目次はこちら

13.4.4.OSのアップグレード


 OSはその配下で実行しているプログラムに対して若干のサービスを提供する。利用可能なサービスの種類とそれらが供給される効率はシステムによって異なる。最も主要なコンピュータ・システムのためのOSは常に進化している。個々のバージョン(あるいは「リリース」)は通常ある新しい機能を提供し、場合により以前の機能が供給される効率を改造する。
 OSアップグレードの効果をモデル化するために、解析者は、ベンダによる声明にあるいは初期ユーザ(「ベータ・テスト・サイト」)の経験にのいずれかに信を置いて、さまざまな機能の相対効率を決定しなければならない。この情報が与えられれば、モデルの修正は簡単である。ユーザI/O処理のCPUパス長が1/2に幻想すると主張されているならば、解析者はまず既存システム上での作業負荷のCPUサービス要求時間のこのオーバヘッドを決定し、次に新しいリリースの効果を表現するためにそれを2で割らなければならない。
 OSの効率もまた、新しい作業負荷のサポートについて考慮対象のさまざまなシステムを比較する時に重要である。この場合、システムに依存しない用語での作業負荷の記述を個々の候補システムについてのサービス要求時間に変換することが必要である。例えば、CPUサービス要求時間の場合、さまざまなシステムの相対CPU実行レートは話の一部だけを告げている。つまりOSのソフトウェアの効率は性能に劇的な影響を与え得るということである。セクション2.4の例で示したように、単純な、単一スレッド・ベンチマーキング実験が、待ち行列ネットワーク・モデルに組み込んだソフトウェアの効率を数量化する際に適切であり役に立つ。


13.5.変更の副次効果」に続きます。