ポアソン分布とアーラン分布の関係

ポアソン分布」で示したようにポアソン分布の式は

  • p(k;t)=\frac{(\lambda{t})^k}{k!}\exp(-\lambda{t})・・・・(1)

でした。一方、「アーラン分布」で示したようにアーラン分布の式は

  • f(t;k)=\frac{\lambda^kt^{k-1}}{(k-1)!}\exp(-\lambda{t})・・・・(2)

でした。この2つの式は非常に似ています。よく調べてみると

  • f(t;k)={\lambda}p(k-1;t)・・・・(3)

という関係にあることが分かります。しかしポアソン分布とアーラン分布の定義の仕方は異なっています。ポアソン分布は、到着間隔時間の確率分布が平均1/\lambdaの指数分布であるような到着過程(ポアソン過程)において、時間間隔[0,t]の間に何個到着するか、を示す分布として定義されましたが、一方アーラン分布は平均1/\lambdaの指数分布に従う確率変数をk個足したものの分布として定義されました。このように微妙に異なる2つの分布の間に式(3)が成り立つのはどうしてなのか、考えてみました。


k次のアーラン分布でtの確率密度がf(t:k)であるということは、そのアーラン分布に従う確率変数の値がtt+dtの間に存在する確率がf(t;k)dtである、ということを意味します。一方k次のアーラン分布とは同一の指数分布に従うk個の確率変数の和の確率分布です。これは到着間隔が指数分布の到着過程(つまりポアソン過程)を考えた時の、ある到着からk個目の到着までの時間の長さの分布と考えることが出来ます。そうするとその時間の長さがtt+dtの間に存在するということは、0からtまでの間には到着はk-1回あって、tt+dtの間にもう1回到着がある、ということになります。0からtまでの間で到着がk-1回ある確率は、ポアソン分布を用いてp(k-1;t)と表すことが出来ます。次にtt+dtの間に到着が1回起きる確率は、ポアソン過程の性質から{\lambda}dtとなります。よって

  • f(k;t)dt=p(k-1;t){\lambda}dt

が成り立ちます。この式を整理すれば式(3)が成り立つことが分かります。