『「待ち行列システムGI/G/1における待ちについての近似公式」の内容検討(7)』のつづきです。
次にD/M/1待ち行列の場合のの値を求めます。そしてそれを、私の近似式
- ・・・・(8)
で計算した結果と、Wolfgang Kraemer氏とManfred Lagenbach-Belz氏の近似式
- ・・・・(11)
- ただし
- ()・・・・(12-1)
で計算した結果と比較します。
D/M/1ですので
- ・・・・(52)
です。さてこの場合も『「待ち行列システムGI/G/1における待ちについての近似公式」の内容検討(4)』の式
- ・・・・(28)
が成り立ちます。到着間隔の確率密度関数については、D/M/1の場合、間隔
で一定であるので確率密度はの時のみ無限大で、その他の値の場合はゼロ、さらに確率密度をの値がゼロから無限大まで積分すると1になるという関数になります。これはディラックのデルタ関数になります。どうも厳密な数学ではデルタ関数を用いてはいけないようなのですが、私はそれほどの知識を持っていないのでデルタ関数を用いてを
- ・・・・(53)
と表します。これを式(28)に代入すると
- ・・・・(54)
ここで、
であり、よってで常に
であることを考えると式(54)は以下のように書き直すことが出来ます。
- ・・・・(55)
以外では積分の中はゼロであるので
よって式(55)は
- ・・・・(56)
となります。この式(56)を使って、Excelを用いてをある値に決めた時のの値を求めることが出来ます。その値と式(8)(11)で計算した近似値をグラフにしてみます。すると下のようになります。
ここからD/M/1の場合も、どちらの近似式も同じくらいの精度を持っていることが分かります。