k≦mの時のp(k)の推定(1)――GI/G/m待ち行列の近似式(by Ward Whitt教授)へのメモ
私がGI/G/m待ち行列の近似で知りたいことの一つは、システムにジョブが個ある場合の定常状態確率分布をで表わした場合、の時のをどのように推定したらよいか、ということでした。そのことは「GI/G/s待ち行列の定常状態分布を求めて(7)」で
[tex:k
- [tex:k
- ・・・・(6)
と書いたように私にとっては「もう推定する根拠がない」状態でした。ただし、
- ・・・・(9)
です。
この点についてWard Whitt教授の「Approxomations for the GI/G/m queue(GI/G/m待ち行列の近似式)」は、
確率関数の単純な近似は
である。ただしでである。
と答えています。今の私の興味にそって書き直し、さらに私の表記法で書き直せば
- [tex:k
- ・・・・(1)
- ただし
- ・・・・(2)
です。では、このについては
ポアソン強度を指定することによっての近似を完成させる。これはビジーなサーバの期待数の正確な値にマッチさせることで行うことが出来る。
- ・・・・(5.22)
これは以下の公式を導く
- ・・・・(5.23)
と書かれています。(5.22)を私の表記法で書き直すと
- ・・・・(3)
となります。ここでとは待ち行列長が1以上である確率を表わしています。ということはジョブ数が以上である確率ということになり、私の表記法では
- ・・・・(4)
ということになります。(4)を(3)に代入すれば
- ・・・・(5)
となって式の意味が理解し易くなります。
さらにこの論文ではを
についての私の近似は、到着間隔時間と待ち時間の累積分布関数が与えられた条件でのの正確な式に基づいている。具体的には
- ・・・・(5.1)
である。Brumelle (1972、定理2と3)は公式(5.1)は基本的な待ち行列の関係から演繹出来ることを示した。
2つのコンポーネントの累積分布関数とを、最初の2つのモーメントをマッチさせることで得た指数分布を含む便利な累積分布関数で近似することによって(5.1)に適用する。私はWhitt (1983a、p.2805)で説明した、セクションでのについての手続きと本質的に同じ手続きに従う。計算を簡単にするために、ケース4ではの場合シフトした指数分布(Whitt 1982b、p.138)を用い、の場合決定論的分布を用いる。5×5=25ケースの全てについて積分を簡単に実行することが出来、よって近似した分布のパラメータとに関しての閉形式の式を得ることが出来る。
が必然的に1以上なので、でなければならない。なので。よって、最終の近似公式では、(5.1)に基づく近似をで置き換える。
で近似出来ると言っています。さあ、これをどう理解しましょう?