GI/G/sのジョブ数の確率分布の近似式(4)

GI/G/sのジョブ数の確率分布の近似式(3)」の続きです。
次に[tex:0{\le}k

  • \Bigsum_{k=0}^{\infty}p(k)=1

です。これを変形すると

  • \Bigsum_{k=0}^{s-1}p(k)+\Bigsum_{k=s}^{\infty}p(k)=1・・・・(16)

式(11)の右辺の\Bigsum_{k=s}^{\infty}p(k)\Omega(GI/G/s)にほかなりませんから、

  • \Bigsum_{k=0}^{s-1}p(k)+\Omega(GI/G/s)=1

よって

  • \Bigsum_{k=0}^{s-1}p(k)=1-\Omega(GI/G/s)・・・・(17)

これが[tex:0{\le}k

  • \Bigsum_{k=s}^{\infty}sp(k)+\Bigsum_{k=0}^{s-1}kp(k)=s\Omega(GI/G/s)+\Bigsum_{k=0}^{s-1}kp(k)

となります。一方、装置の稼働率uを考えれば、このビジーである装置の台数の平均値はsuになります。よって

  • s\Omega(GI/G/s)+\Bigsum_{k=0}^{s-1}k(p(k)=su

よって

  • \Bigsum_{k=0}^{s-1}kp(k)=s\left[u-\Omega(GI/G/s)\right]・・・・(18)

となります。これが[tex:0{\le}k

  • p(k)=A\frac{(su)^k}{k!}・・・・(19)
    • ただしAは定数

の形をしている(「M/M/mにおける待ち時間の式の導出(2)」の式(10)参照)ことや、M/G/∞の時のp(k)がやはり式(19)の形をしていることから、GI/G/sも式(15)の形の式で近似できると仮定します。しかし、この式には調整出来るパラメータが1つ(つまりA)しかありません。しかしp(k)が満たさなければならない式は(17)と(18)の2つがあります。1つのパラメータを調整して2つの式を満足させるようにすることは、両方の式が同一の式に変形出来るのでなければ出来ません。よって、式(19)にはもう1つパラメータが必要になります。そこでuを調整すべきパラメータu'で置き換え、これは装置稼働率ではない、とします。すると式(19)は

  • p(k)=A\frac{(su')^k}{k!}

という形になります。さらにsu'=\alphaと置いて、\alphaを調整すべきパラメータと考えれば

  • p(k)=A\frac{\alpha^k}{k!}・・・・(20)

となります。