M/M/2→M/1待ち行列の解析(補足)
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「M/M/2→M/1待ち行列の解析」の式(6)(7)から式(8)を導くところを省略せずに示したいと思います。式(6)(7)を再掲します。
- ・・・・・・(6)
- の時、・・・・・・(7)
これは「M/M/mにおける待ち時間の式の導出(2)」における式(8)(9)に対応するものです。これらも再掲します。(ここでは、式の番号が重ならないように「M/M/mにおける待ち時間の式の導出(2)」における式の番号はダッシュをつけて表すことにします。)
- [tex:0{\le}i
- ・・・・・・(8’)
- の場合
- ・・・・・・(9’)
この式(8’)と式(9’)から
- [tex:0{\le}k
- ・・・・・・(10’)
- の場合
- ・・・・・・(12’)
が導かれたのでした。さらにの値を求めるために、全確率の公式
- ・・・・・・(13’)
を用いて
- ・・・・・・(14’)
を導き出したのでした。「M/M/2→M/1待ち行列」の場合に戻って考えると上記の式(10’)(12’)に対応する式
- の場合、すなわちの場合
- ・・・・・・(19)
- の場合
- ・・・・・・(20)
を作ることは出来ますが、式(13’)に対応する
は成り立ちません。そこで以下のように考え直します。
式(10’)(12’)でとします。すると
- の場合
- ・・・・・・(21)
- の場合
- ・・・・・・(22)
ここで、利用率がに等しいM/M/2待ち行列における状態の発生確率をで表せば、式(21)(22)は
- の場合
- ・・・・・・(23)
- の場合
- ・・・・・・(24)
ここでをで置き換えれば
- の場合
- ・・・・・・(25)
- の場合
- ・・・・・・(26)
式(19)(20)と式(25)(26)を比較すれば
- の場合
- の場合
よって、いずれの場合も
- ・・・・・・(27)
となります。ここで
とおけば式(27)は
- ・・・・・・(8)
となって式(8)を導き出すことが出来ます。