第13章 プル計画の枠組み の概要

この章では、下はショップ・フロア・コントロールから上は需要予測までを含む生産の計画と管理のための階層的システムの提案がなされる。また、需要の予測の技法について説明する。階層的生産計画管理システムの原則は以下の通りである。

  1. 計画は階層的に作られるべき
    • 計画問題を長期(戦略)、中期(戦術)、短期(制御)問題に分ける。同様に、製品に関する詳細のレベルは長期では総量、中期ではパーツ・ファミリー、短期では特定のパーツ・ナンバーとする。
  2. システム全体でのデータの一貫性が重要
    • 個々のモジュールがすばらしくても、それらの間のデータ整合が欠けていれば全体システムの機能は非常に低下する。
  3. フィードバックは一貫性と学習をもたらす。
    • システムで使用する重要なパラメータを更新するために実際の工場パフォーマンスの測定などのある種のフィードバックを提供することは重要である。さらに、進捗を観測し追跡するためのメカニズムを提供することにより、フィードバックは継続的改善の環境を促進する。
  4. 異なる工場は異なるニーズを持つ
    • 上記の諸原則は一般的なものである。この章以降の記述は、読者にヒントを与えるための例示である。あまりに文字通り取り過ぎないように注意すべきである。

この章で示される階層システムは以下のモジュールからなる。カッコ内は、その詳細が説明されている章を示す。

需要の予測の技法については、これを質的予測数量的予測の2つに大別するが、説明されているのは数量的予測のみである。数量的予測は原因予測時系列予測に分けられ、原因予測の例として回帰分析を示す。時系列予測は、移動平均指数平滑法線形傾向指数平滑法ウィンター法を紹介する。
ノルマの設定では、正規分布を前提にしたノルマ設定方法を紹介する。



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