Kingmanの近似式の根拠が明らかになるか?(3)

Kingmanの近似式の根拠が明らかになるか?(2)」の続きです。
では、GI/G/mではなくて、少し目標を下げてGI/G/1の時の近似式

の根拠を示すことは出来ないか、考えて見ました。この場合は、式(2)

  • CT_q{\approx}c_a^2c_b^2CT_{q(M/M/m)}+c_a^2(1-c_b^2)CT_{q(M/D/m)}+c_b^2(1-c_a^2)CT_{q(D/M/m)}・・・・(2)

は、

  • CT_q{\approx}c_a^2c_b^2CT_{q(M/M/1)}+c_a^2(1-c_b^2)CT_{q(M/D/1)}+c_b^2(1-c_a^2)CT_{q(D/M/1)}・・・・(6)

になります。よって、M/D/1とD/M/1の平均待ち時間を(近似的にも)計算する必要が出てきます。幸いにも、M/D/1の平均待ち時間は厳密に求めることが出来て「M/D/1における待ち時間の式の導出」にあるように

  • CT_{q(M/D/1)}=\frac{1}{2}\frac{u}{1-u}・・・・(7)

となります。あとD/M/1の平均待ち時間を求めればよいことになります。


それとは別に式(6)の根拠をいくぶんなりとも示すためにE_2/D/1D/E_2/1E_2/E_2/1待ち行列の平均待ち時間を何らかの方法で計算し、それらが式(6)を成り立たせているかどうかを確認する必要があるでしょう。(ここでE_2は2次のアーラン分布を表します。) E_2変動係数\frac{1}{sqrt{2}}なので、

  • CT_{q(E_2/D/1)}{\approx}\frac{1}{2}CT_{q(M/D/1)}・・・・(8)
  • CT_{q(D/E_2/1)}{\approx}\frac{1}{2}CT_{q(D/M/1)}・・・・(9)
  • CT_{q(E_2/E_2/1)}{\approx}\frac{1}{4}CT_{q(M/M/1)}+\frac{1}{4}CT_{q(M/D/1)}+\frac{1}{4}CT_{q(D/M/1)}・・・・(10)

を示すことが出来れば、式(6)の根拠をいくぶんなりとも示したことになると思います。


ということで、今時点における私の宿題は以下の待ち行列の平均待ち時間を求めることになります。

  • D/M/1E_2/D/1D/E_2/1E_2/E_2/1