閉鎖型ネットワーク内のステーションからの出発過程(2)
「閉鎖型ネットワーク内のステーションからの出発過程(1)」の続きです。
そこで、との時間の経過による変化を求めていきます。まず状態では、装置2にはジョブがありませんので、装置2からのジョブの出発はありません。状態では、装置1は必ず処理中ですから、の間に
の確率で装置1で処理が完了してジョブが装置2にやってくることになり、の状態に遷移します。状態は図2ではの一部になります。状態を他の状態と区別しない理由は、装置2にジョブが1つ以上あれば、それがいくつであっても、の間に装置2からジョブが出発する確率は
になるからです。ここから
- ・・・・・(5)
が成り立ちます。次に、(5)と同じように考えての間に状態から遷移することによるの増加は
であり、装置2からジョブが出発することによる減少は
です。よって
- ・・・・・(6)
が成り立ちます。式(5)と(6)を解くことによりとを求めます。まず(5)から
- ・・・・・(7)
です。これを式(6)に代入すると
- ・・・・・(8)
となります。ここで
- ・・・・・(9)
と置いて式(8)に代入してみます。(8)の左辺は
- ・・・・・(10)
(8)の右辺は
-
- ・・・・・(11)
よって(10)と(11)から
- ・・・・・(12)
- ただしは積分定数
式(12)を(9)に代入して
- ・・・・・(13)
ここでをを使って表すために(13)にを代入すると
よって式(13)は
- ・・・・・(14)
となります。時刻における装置2からの出発の確率をで表せば、「[閉鎖型ネットワーク内のステーションからの出発過程(1)」の式(4)から
- ・・・・・(15)
なので
- ・・・・・(16)
これが装置2からの出発間隔の分布を表す式になります。
そうするとこの分布を知るためにはとの値を求める必要があります。ところで時刻の時点では図2の出発後の状態の確率はゼロですから
- ・・・・・(17)
となります。よっての値を求めれば自動的にの値は分かることになります。次はの値の求め方を考えてみます。
「閉鎖型ネットワーク内のステーションからの出発過程(3)」に続きます。