条件付き期待値の定理
先日の「不定個の同一分布独立確率変数の和の平均」のところの式(6)(ここでは番号を振り直して式(1)とします)
- ・・・・(1)
がなぜ成り立つのかの説明が不十分だったような気がしました。ここで補足を入れます。
「不定個の同一分布独立確率変数の和の平均」ではが連続確率変数でしたが、説明を簡単にするために離散確率変数であるとします。も離散確率変数です。
条件確率の定義により
よって
- ・・・・(2)
ところで
- ・・・・(3)
となります。ただし、はのとる可能な値全てについての和をとります。(3)に(2)を代入して
- ・・・・(4)
また
- ・・・・(5)
です。ただしはのとる可能な値全てについての和をとります。また
- ・・・・(6)
です。これもはのとる可能な値全てについての和をとります。(6)に(5)を代入すると
ここで(2)を用いれば
ここで(3)を用いれば
よって式(1)が証明出来ました。
ではこれをが連続確率変数の場合に拡張するにはどうしたらよいでしょうか? そうすると最初の条件確率の定義のところで
- や
が無限小になってしまうので、うまくいきません。の代わりに[tex:y{\le}Y
- [tex:Pr\{y{\le}Y
という関係を利用する必要がありそうです。
これについては「条件付き期待値の定理(2)」で検討します。