昔の痛い思い出が教える・・・・(1)
ところで「今ならChaothonさんの質問に答えられると思う。(2)」や「M/G/s待ち行列の定常状態分布の近似(2)」で提示したM/G/s待ち行列の定常状態確率の近似式
- [tex:k
- ・・・・(1)
- ただし、・・・・(2)
- の時
- ・・・・(3)
- ただし
- ・・・・(4)
- ・・・・(5)
は、どうせ近似式であるのでについても近似式で済ませたほうが計算が楽になるのではないか、という考えもあります。つまり「M/M/mにおける待ち確率Πの近似」の式(10)で提示した(ここでは番号を振り直して(6)とします)
- ・・・・(6)
を式(5)の代わりに用いるというものです。私は一旦、そのように考えました。しかし、そうすると式(2)のも式(2)ではなくもっと簡単な式で近似しないと釣り合いが取れません。式(2)と(5)から
- ・・・・(7)
式(7)と式(5)から
- ・・・・(8)
式(8)を式(1)に代入し、また、式(6)を式(3)に代入して
- [tex:k
- ・・・・(9)
- の時
- ・・・・(10)
- ただし
- ・・・・(4)
をの近似式として提案するのはどうでしょうか? このほうが、冒頭に示した近似式よりずっとすっきりしています。この近似式は使い物になるでしょうか? 2007年(4年前)に書いた「撤回:2月4日のp0の近似式」は、このような近似が危ないことを告げているようにも思えます。上記の近似が大丈夫かどうか、検討してみましょう。私にはエントリー「逆瀬川の近似式からM/M/m待ち行列の状態確率分布を近似する。」が痛い思い出になって残っているのです。