「定常状態分布」では、任意のジョブ到着間隔分布と、任意の処理時間分布を持つ待ち行列について、この待ち行列のシステムにジョブが個存在する、時間平均での確率の近似式を紹介しました。今度は、ジョブが到着した時に、この待ち行列システムにジョブが個存在する(到着したジョブは数に含めない)確率を考えます。しかし残念ながら、任意のジョブ到着間隔分布と、任意の処理時間分布を持つ待ち行列についての近似式を求めることは出来ませんでした。そこで「ジョブ到着時に、全ての装置がふさがっている確率」と同じように到着間隔分布が指数分布である場合と、処理時間分布が指数分布である場合について近似式を示します。
もし到着間隔分布が指数分布であるならば、すなわちM/G/s待ち行列であれば、PASTAを使用することが出来て
- ・・・・(32)
をいうことが出来ます。この式と「定常状態分布」の式(4)(5)
- [tex:k
- ・・・・(4)
- の場合
- ・・・・(5)
- ただし
- ・・・・(6)
- ・・・・(7)
を用いれば
- [tex:k
- ・・・・(33)
- の場合
- ・・・・(34)
もし処理時間分布が指数分布であるならば、すなわちGI/M/s待ち行列であれば、
- の場合
- ・・・・(35)
- の場合
- ・・・・(36)
- の場合
- ・・・・(37)
となります。