善(よ)く易を為(おさ)むる者は占わず

善(よ)く易を為(おさ)むる者は占わず

今日は易経から離れてみました。上は「荀子」の言葉だそうです。易をよく体得した者は占いをしない、ということで、易の内容を知っていれば占わなくても問題の解決法が分かる、ということです。易経*1を構成する書物の1つ繋辞(けいじ)上伝にも似たことが書かれています。

君子は居ればその象を観てその辞を玩(もてあそ)び、動けばその変を観てその占を玩ぶ。

君子は平生は易経の象徴を観て、そこに書いてある言葉についてあれこれ考え、事が起こった場合は、その変化を調べて占いの結果についてあれこれ考える、という訳です。普段から占いをするようでは君子ではなく、どうしても決められない時にのみ占うのが本当の君子である、という考え方です。では普段はどうしているかというと、易経の提示するいろいろな象徴を学んで、それを人生の諸局面に役立てているわけです。

*1:易経は本体(経)のほかに10種類の付属書から構成されています。