バッチ装置の待ち行列の解析(8)

さて「なりゆきバッチルール」の場合で、1回の処理で処理するジョブ数の平均値(処理時平均処理ジョブ数)をB_1で表わすことにします。任意の時点で処理中のジョブ数の平均値は、B_1に装置の占有率を掛けたものになります。つまりB_1u_{oc1}になります。一方、「必ずバッチルール」で1回の処理で処理するジョブ数の平均値は2であり、装置の占有率はuになります。この両者を掛けた2uは「必ずバッチルール」における、任意の時点で処理中のジョブ数の平均値になります。今、両方の場合において稼働率uが同じであるとすると、それは装置のスループットが同じということになるので、ジョブから見た平均処理時間が両者で同じであることを考慮すれば、任意の時点での処理中のジョブ数の平均値は両者で等しくなることが分かります。よって

  • B_1u_{oc1}=2u

よって

  • B_1=\frac{2u}{u_{oc1}}・・・・(50)

ここに「バッチ装置の待ち行列の解析(7)」の式(48)

  • u_{oc1}=\frac{2u}{1+(2-a)u}・・・・(48)

を代入すると

  • B_1=1+(2-a)u・・・・(51)

これをグラフ化すると以下のようになります。比較のために「必ずバッチルール」の処理時平均処理ジョブ数も一緒に示します。

  • グラフ4

「なりゆきバッチルール」の場合、装置の稼働率uが小さい時にはほとんど1ジョブで処理しているのが、稼働率uが増加するにつれてだんだん2ジョブで処理する割合が増えていき、稼働率100%で完全に2ジョブ処理になる様子が分かります。