9.9.演習:Quantitative System Performance
9.9.演習
1.
- セクション9.2の例で、3つのクラスの観測された平均マルチプログラミング・レベルは2.60と0.40と1.75であるが、他に使用可能な情報がなかったとしよう(つまり、マルチプログラミングの割合の実際の分布は知らなかったとしよう。)
- a.
- 近似MVAを用いてこのシステムをどのように解析するだろうか?
- b.
- 厳密MVAを用いてこのシステムをどのように解析するだろうか?
2.
- 1つのCPUと台のディスクと個の周辺プロセッサからなり、ジョブの固定マルチプログラミング・レベルを持つ、Control Data 6000シリーズ・バッチ・コンピュータ・システムを考察しよう。まずディスク処理を要求するジョブは周辺プロセッサのうち任意の1つにアクセスするために競争しなければならない。いったん割当てられると、周辺プロセッサはそのデータが滞在する特定のディスクをめぐって競争し使用する間、保持される。I/O動作の最初で、ディスクと周辺プロセッサの両方がリリースされ、ジョブはCPUキューに入る。よって、個のジョブと台のディスクが存在するが、最大でも個のジョブが同時にディスクを使用することが出来る。より少ない数のジョブがディスク処理を要求するためか、あるいは数個のジョブが同じディスクにアクセスしたがるためかのいずれかにより、実際の数はより少ないだろう。
- a.
- このモデル化問題とセクション9.3で検討した単一クラス・メモリ制約問題の間の類似点を示せ。
- b.
- c.
- 周辺プロセッサ制約を無視して同じシステムを解析せよ。(つまり、6個のセンターと10個のジョブを持つ分離可能単一クラス・モデルを用いてシステムを表現せよ。) この仮定からジョブ応答時間についていくらの誤差がもたらされるか? CPU稼動率についてはどうか?
3.
- セクション9.3.1の例を、考慮時間の以下の値について再実行せよ。
- a.10秒
- b.180秒
- メモリ制約をモデル化するためのより単純な方法はFESCの使用を必要としない。9.6.1でのケーススタディはそのような方法の1つである。もう1つの方法は単にメモリ制約を無視することであり、それは分離可能であるがモデルをもたらし、よって標準MVAアルゴリズムに素直に従う。
- c.
- この例で、10、60、180秒の考慮時間について、より単純な方法の各々がどのくらいうまくいくと思うか?
- d.
- これらの3つ場合に両方の方法を適用し、結果をより正確なフロー等価手法を用いて得た結果と比較することによってあなたの直感をテストせよ。
4.
- 若干のコンピュータ・システムはメモリにロードされるジョブの数に固定の制限を課さず、その代わりFCFSの仕方で、ロードすべきジョブが残っていないか、あるいはそれらをロードする先のメモリがなくなるまでジョブをロードする。
- a.
- 全てのジョブが1つのクラスに属すると見なせる場合、そのようなシステムをモデル化するためにアルゴリズム9.2をどのように用いることが出来るか?
- b.
- もしシステム内のジョブが大きく異なるメモリ要求量を持っていたら(例えば、多くの小さなジョブとたまに非常に大きなジョブ)、我々は複数ジョブ・クラスを用いてシステムをモデル化したいだろう。この場合、アルゴリズム9.3をどのように用いることが出来るか?
5.
- セクション9.5ではページ・フォールト率の変化のシステム負荷への(あるいは同じことであるが1ジョブあたりのメイン・メモリ割当てへの)主要効果、ページング・デバイスでの処理要求時間の変化、をモデル化するための手法が記述された。重要な副次効果はページ・フォールト処理による1ジョブあたりのCPUオーバヘッドの変化である。
- a.
- この副次効果をどのようにモデル内に反映させるか? (つまり、どのパラメータを変更するか?)
- b.
- 特定のシステムについて適切なパラメータの値をどのように決定するか?
6.
- あるシステムがスワッピング専用に多くのディスクとページング専用に多くのディスクを含むとしよう。
- a.
- そのようなシステムについて、この章の手法にどのような修正が必要であるか?
- b.
- そのようなモデルのパラメータの値を決めるためにはどのような追加の測定情報が必要になるか?
- c.
- そのような測定がない場合、モデルの解析を可能にするためにどのような適切な推定を行うか?
「第10章 ディスクI/O」に続きます。