ロットサイズのサイクルタイム(TAT)への影響再考
- 昨日、ブログをアップしてから、「再びロットサイズ縮小の効果」と「ロットサイズ縮小によるセットアップ(段取り)増加について」を読み直したところ、論理がうまく続いていないのを感じました。「再びロットサイズ縮小の効果」ではサイクルタイムへのセットアップ時間そのものの影響を考察するつもりで「ロットサイズ縮小によるセットアップ(段取り)増加について」につなげたはずなのですが、「ロットサイズ縮小によるセットアップ(段取り)増加について」で問題にしているのはセットアップ時間と回数が工場のキャパシティに与える影響でした。「ロットサイズ縮小によるセットアップ(段取り)増加について」において「工場の生産性」という言葉で表わしているのは主に工場のキャパシティあるいはスループットのことでした。どこを訂正すべきなのか、今、考えているところです。
- 「再びロットサイズ縮小の効果」では
- Factory Physicsの定義(ステーション・サイクルタイム)を再び参照して
- サイクルタイム=搬送時間+キュー時間+セットアップ時間+処理時間+バッチ待ち時間+バッチ内待ち時間+部品待ち時間
- ですが、ロットサイズを縮小すると、キュー時間、バッチ待ち時間、バッチ内待ち時間、(半導体ファブでは関係ないが)、部品待ち時間が短縮されることが分かりました。一方、搬送時間は、ロットサイズ縮小が要求搬送量を増やすので、増加する傾向にあることが分かりました。セットアップ時間については、まだ議論していませんでした。ロットサイズが小さくなると直感的にはセットアップ回数が増え、セットアップ時間が増加するだろうと思えます。
- 最後に処理時間は変わりません。よって、サイクルタイムを最小にするロットサイズを最適ロットサイズと定義するならば、あと、搬送時間とセットアップ時間におけるロットサイズ縮小の影響を検討する必要があります。
- と書きましたが、第一に「キュー時間」の検討が足りなかったと反省しております。セットアップ回数の増加による装置利用率の増加、処理時間の変動係数の増加、それらによるキュー時間の増加の考慮が足りませんでした。これが今後の課題のひとつです。
- もうひとつは、上記のサイクルタイムの式は、1ステーションあたりのサイクルタイムであり、ある製品についての全体のサイクルタイムではありませんでした。「サイクルタイムを最小にするロットサイズを最適ロットサイズとすると」と書きましたが、これは製品のラウティングの最初の工程から最後の工程までの全体のサイクルタイムを対象に考えるべきであったと思います。
- 以上2点を今後の課題としていきます。まだ、試行錯誤を繰り返しております。読まれる方々のご寛恕を願います。
議論の継続
- ここでの議論は
- に続きます。