2017-01-01から1年間の記事一覧
ミレトスの町は、ペルシアの支配を脱した年、BC479年から都市改造を始めます。それによって出現したのは右の地図が示すような碁盤の目状に道が走る、日本で言えば平安京のような構造の町です。このような碁盤の目状の都市プランをヨーロッパの都市計画関係で…
イオニアの反乱は、歴史上有名なペルシア戦争への導火線でした。ペルシア王ダレイオスは、イオニアの反乱にギリシアのアテナイとエレトリアが加担したことを口実に、ギリシア本土に攻め込むことを決意しました。「ミレトス(22):ミレトス陥落ののち」の…
サルディスから逃走してからのヒスティアイオスの行動は、その目的が私には理解出来ません。逃亡したことによってペルシアに敵対することを決意したと思ったのですが、やったことといえばビザンティオン(今のイスタンブール)を根拠地にして、海賊家業にい…
さて、ペルシア海軍の主力であるフェニキア艦隊がイオニア軍に接近し、戦いの火蓋が切られました。ヘロドトスは、どの町の部隊が奮戦し、どの町の部隊が戦わずに逃走したのかを述べていますが、肝心のミレトス部隊がどう戦ったのかについては、なぜか述べて…
ヒスティアイオスがキオス島に渡ると、ダレイオスの覚えめでたい人物がキオスに来たというわけで、これは何か陰謀を企んで来たに違いないとキオス人に勘ぐられ、逮捕されました。ヒスティアイオスは自分はダレイオスから逃げてきたのだ、と必死に説明してな…
ヒスティアイオスが歩いて3ヶ月はかかるスサからサルディスへの長い道のりを進んでいっているうちにも、イオニアでの情勢も変化していきました。サルディスとエペソスでの戦いの次には、キュプロスでペルシアへの反乱が起りました。反乱軍の首謀者はキュプ…
何の抵抗も受けずにサルディスを占領したイオニア軍とアテナイ軍でしたが、 兵隊の一人が一軒の家に火を附けたところ、火は忽ち家から家へ移り、町全体が猛火に包まれてしまった。町の燃えている中に、リュディア人および町にいたペルシア人はことごとく、四…
アリスタゴラスはペルシアへの反乱の意志を自分の仲間たちに打ち明けました。また彼は、ヒスティアイオスから来た指令についても明かしました。その仲間の中には歴史家ヘカタイオスもいたということです。他の者たちが皆、反乱に賛成する中でヘカタイオスだ…
当時、ミレトスは繁栄を謳歌しておりましたが、ナクソスという島も他の島々にぬきんでて繁栄しておりました。ナクソスはエーゲ海に浮かぶ島々の中でキクラデス諸島と呼ばれる諸島の中の最大の島です。ミレトスはペルシアの支配下にありましたが、ナクソスは…
ミレトスの支配権を得ており、さらに今回ミュルキノスに町を建設する許可をもらったヒスティアイオスは喜んでミュルキノスの城壁の建設を始めました。ところがそのことを聞いたペルシアの将軍メガバゾスがダレイオス王にこう進言しました。 「王よ、とても一…
スキュタイ人の言う通り、橋を破壊してイオニアを解放しようと主張したのはケルソネソスの僭主ミルティアデスでした。ケルソネソスは今のガリポリです。 一方、それに反対したのはミレトスの僭主ヒスティアイオスでした。 自分たちがそれぞれ自国の独裁権を…
ここからしばらくは話の舞台はエーゲ海を離れて黒海の沿岸近く、ドナウ河の水が黒海に注ぎ込むあたりを少し上流に行ったあたりになります。当時、このドナウ河の北側がスキュタイ人の領土なのでした。ペルシア王ダレイオスは陸軍を率いて、ボスポラス海峡に…
「ミレトス(7):トラシュブロス後」で述べましたように、ミレトスは2世代(おそらく60年)に渡る内紛の後にパロス島の住民によって一種の財産政(財産の多い者が政権を握る政治制度)が成立したのではないか、というのが私の推測でした。しかし、遅く…
サルディスの陥落があり、その後のペルシア王国によるイオニア地方平定において2つの町の住民だけが祖国を離れました。テオスの町では全市民が船に乗り込み、海路トラキア(現在のギリシア北東部)に向い、そこにアブデラという町を建てました。ヘロドトス…
話を「ミレトス(6):イオニア12都市」のところまで戻します。ミレトスはリュディアと同盟を結んでいたことで対外的には平和を得ていたのですが、やがて情勢が変化していきます。その変化は東方はるかかなたのイラン高原からやってきました。イラン高原…
実は私は今、述べる順番を間違えてしまった、と思っています。しかし、タレスに関する逸話としてこれも紹介しておかねば、と思いもあって、全体の構成(一応、そういうものを考えているのです)を乱すとも感じてはいるのですが、アリストテレスが伝えるこの…
ディオゲネス・ラエルティオスはタレスにまつわるこんな話を記しています。 イオニアのある若者たちがミレトスの漁夫たちから、彼らの水揚げした漁獲物を買ったとき、引き上げられたもののなかに鼎があったので、それをめぐって争いが起った。そこでミレトス…
さてこの頃、ミレトスの独裁者トラシュブロスはどうしていたのでしょうか? 残念ながらそれについての記述を私は見つけることが出来ていません。彼には後継者がいたのか、それとも後継者はおらず、民主政が確立したのか、それとも貴族政になったのか、興味が…
ミレトスはリュディアと同盟を結んだおかげで、他のイオニア都市とは異なり、独立を保つことが出来ました。リュディア王が次の代のクロイソスになった時、クロイソスはいろいろと口実を設けて他のイオニア都市を征服してしまいましたが、その時もミレトスに…
キンメリア人とスキュタイ人がリュディアから追い出されたのち、リュディア王国はミレトスへの侵攻を再開しました。この時のミレトスの支配者はトラシュブロスでした。 彼*1がミレトスに軍を進め、これを攻囲した遣り方は次のようであった。田畑に穀物が実る…
さて、次の出来事は、キンメリア人やスキュタイ人をリュディア王国の領土から放逐したあとの出来事なのか、それともまだ放逐出来ていなかった頃の出来事なのかよく分からないのですが、リュディアの首都サルディスに保護を求めてきたスキュタイ人の処遇をめ…
リュディア王国が領土を拡張してきてミレトスを占領しようと、さかんに戦争を仕掛けるのですが、その時にミレトスがどう対処したのかについて、その初期のことは分かりません。これらはいわゆる暗黒時代の出来事なのです。いっとき、リュディアがミレトスや…
昨日は、古代ギリシアの時代にミレトスという都市がどうやって建設されたのか、というミレトスの起源に関わる伝説を集めてみたのですが、そこからぼんやりと見えてくるのは「アテナイ(=現代のギリシアの首都アテネと同じ)王コドロスの息子のネイレオスま…
何の説明もつけずに始めてしまい、読む人には申し訳ないのですが・・・・。そのうちに何か筋書きのはっきりした記事になるかもしれないと思い、書き始めます。 ヘロドトスの「歴史」や他の文献から、イオニアの華と呼ばれた古代ギリシアの都市であるミレトス…
4月16日にオートエンコーダの話を書いていて行き詰ってしまい、それがきっかけで書けない日々が続きました。でも、やはり何か書きたいという思いがあるので、オートエンコーダやニューラルネットやそのような話とは全然違ったところで、書き始めたいと思いま…
今まで書いてきたことを一般の次元に拡張してみます。 入力層と出力層のノードの数が、中間層のノードの数がで、であるとします。よって、このオートエンコーダへの入力データの次元数はになります。入力層の番目の入力をで表します。中間層の番目のノード(…
前回までで何とか2次元のデータについてオートエンコーダが主成分分析による次元削減を実行することを説明しましたが、この説明を書いているうちに自分の理解の浅さに気づきました。この結果をより確かなものにするためには以下のような課題があります。 一…
出力信号を入力信号に最も近付けることがを最小にすることと同等である、というのはなぜでしょうか? まず、出力信号を入力信号に最も近付けるということを定義しておきましょう。入力信号を与えた時の出力信号をで表します。二乗平均誤差を次の式で定義しま…
しかしこれは、人が個々のニューロン(=ノード)のパラメータをこのようにセットすれば主成分分析になる、というだけであって、出力信号をなるべく入力信号に近付けるという学習の結果、このようなパラメータの設定になる、というわけではありません。 そも…
オートエンコーダが、主成分分析による次元削減を実行出来ることをこれから示していきます。 まず「次元削減(1)」で使った例を今回も使います。 今回、座標系の原点は説明の都合上、座標系の原点と同じ位置にしました。 「主成分分析(6)」の式(18)で示…