ファブ内物流の論理を求めて

生産ラインの制御政策

「生産ラインの最適制御――大野 勝久」からの抜粋です。 2.生産ラインの制御政策 多品種を生産する多工程生産ラインにおける制御政策としては、様々なものが論じられてきた。まず初めに、単一品種多工程生産ラインにおける制御政策あるいは管理方式をBuzaco…

特集:JIT生産システムの数理

「オペレーションズ・リサーチ:経営の科学 2002年4月 特集:JIT生産システムの数理」を見てみましょう。以下の論文が出ています。 特集にあたって――大野 勝久 相互補完国際物流システム――平木 秀作 1.はじめに 2.相互補完システムの背景 3.相互補…

2装置1有限バッファ・ライン

トランスファ・ラインの中で一番単純な構成。2台の装置とその間にあるバッファからなる。 バッファの容量が無限大であれば解析は比較的簡単であるが、「生産システム工学」では容量有限のバッファの場合の解析をする。

トランスファ・ライン

ステーションとバッファが交互に入り、直列に並んだ生産ラインのこと。

生産システム工学 第2章 マルコフ・チェーンとマルコフ過程 の概要

第2章はマルコフ・チェーンとマルコフ過程の説明である。第3章、第4章、第5章、第6章で必要ないくつかの数学的ツールをこの章は供給する。 マルコフ・チェーンは離散時間−離散状態のモデルであるが、これを拡張したマルコフ過程としては連続時間−離散状…

生産システム工学 第1章 導入 の概要

第1章はこの分野への導入である。この章では製造のリソースがシステムに組み合わされた際に発生する課題と現象を技術的ではない言葉で記述する。製造工場には例えば 上流の装置ダウンによる下流装置の稼働率低下を緩和するためにどの程度のパーツ保管スペー…

生産システム工学 第0章 前書き の概要

この本の目的は生産システム内の材料の流れにおける最も重要な現象のいくつかの根本的な記述と分析を提供することである。この本は、製造に悪影響を与える可能性を持つ要因と、その対策と、対策の結果を記述する。このことにより、厳密かつ有用な、製造シス…

「生産システム工学」概要

Manufacturing Systems Engineering作者: Stanley B. Gershwin出版社/メーカー: Prentice Hall発売日: 1993/03/01メディア: ハードカバー クリック: 11回この商品を含むブログ (5件) を見る以下は、上記の本の概要です。 各章の概要 第0章 前書きはこの本の…

生産システム工学 概要(2)

「概要(1)」につづいて、Manufacturing System Engineeringの概要の紹介です。 第9章は柔軟な生産システムの最も単純なモデルのためのリアルタイム決定アルゴリズムを供給する。そこでは2種類のイベント、処理と装置故障、だけが起る。第10章では、も…

生産システム工学 概要(1)

今、読んでいる「Manufacturing Systems Engineering」Manufacturing Systems Engineering作者: Stanley B. Gershwin出版社/メーカー: Prentice Hall発売日: 1993/03/01メディア: ハードカバー クリック: 11回この商品を含むブログ (5件) を見るのタイトルを…

「Manufacturing Systems Engineering」を読んでいきます。

Manufacturing Systems Engineering作者: Stanley B. Gershwin出版社/メーカー: Prentice Hall発売日: 1993/03/01メディア: ハードカバー クリック: 11回この商品を含むブログ (5件) を見るわたくしごとですが、(このブログは元々わたくしごとですが)やっ…

X-Factor

X-Factorはラウティング毎に定義され、 X-Factor=サイクルタイム/合計処理時間 です。つまり、サイクルタイムが処理時間の何倍になっているかを示す値です。もし、待ち時間がまったくないのであれば、X-Factor=1 です。

ロードポートネックによるキャパシティ悪化の近似式のLP=nへの拡張

の場合について「ロードポートネックによるキャパシティ悪化の近似式のLP=3への拡張(1)」「ロードポートネックによるキャパシティ悪化の近似式のLP=3への拡張(2)」と同様の検討をすることにより という状態遷移図を得ることが出来ます。ここか…

ロードポートネックによるキャパシティ悪化の近似式のLP=3への拡張(2)

「ロードポートネックによるキャパシティ悪化の近似式のLP=3への拡張(1)」の続きです。今までの結果をまとめると以下のようになります。 (連続、連続)+短→(連続、連続) (連続、連続)+長→(連続、中断) (連続、中断)+短または長→(中断、…

ロードポートネックによるキャパシティ悪化の近似式のLP=3への拡張(1)

「ロードポートネックによるキャパシティ悪化の近似式」での議論はロードポート数が2の時に限定されていました。それをロードポート数が3の場合に拡張します。 まず、「CETが確率的に2値をとる場合のロードポートネック(1)」「CETが確率的に2値…

「半導体製造におけるサプライチェーン仕掛制御」を読んだが・・・

台湾大学のRuey-Shan Guo氏のISSM2006での論文 半導体製造におけるサプライチェーン仕掛制御(Supply Chain Inventory Control in Semiconductor Manufacturing) を読んだのですが、歯が立ちません。いきなり数式のオンパレードで、しかもその数式…

teが変動する場合のキャパシティの近似式

「ロードポートネックによるキャパシティ悪化の近似式」では、「装置の処理時間は一定」と仮定しました。これをが変動する場合に拡張する方法について考えます。 (ロードポートの数は2のままであるとします。) この時、の場合は、もう1つのロードポート…

はみ出し部分が指数分布で近似出来る場合のキャパシティの近似式

「ロードポートネックによるキャパシティ悪化の近似式」で導いたロードポートネックによるキャパシティの近似式 ・・・・・・(2) において、の確率密度のはみ出し部分(の部分。下のグラフの赤い部分) の分布が、指数分布 (ただし、は定数)で近似出来…

ロードポートネックのシミュレーション

「ロードポートネックによるキャパシティ悪化の近似式」で提示した近似式 ・・・・・・(2) がどの程度正しいのか知るためにロードポートネックのシミュレーションを実行したいのですが、手元にシミュレータがなく、仕方がないのでExcelを駆使してシミュレ…

ロードポートネックによるキャパシティ悪化の近似式

図1 上の図のような確率分布を持つキャリア交換時間を持つ搬送装置と装置からなる系において、装置のキャパシティの悪化の度合いを近似的に見積る方法について述べます。ただし、私はまだこの方法をロードポートが2個の場合にしか導いておりません。以下で…

ロードポートネック判定を現実に適用する時の困難

「ロードポートネック」ではロードポートネックという現象について述べました。そこではロードポートネックは装置のキャパシティを悪化させるので、避けるべきだ、ということを述べました。そしてどのような条件ならばロードポートネックになり、どのような…

ORWikiを見つけた。

私はずっと「queuing network」の勉強をしなくては、と思っていましたが、Googleで「キューイングネットワーク」で検索しても、私の目指す内容は見つからず、困っていました。もちろん「queuing network」で検索すれば英語のページがいっぱい出てくるのです…

ISSM論文の追加情報

ISSM2007での台湾大学のRuey-Shan Guo氏の論文 半導体サプライチェーンにおけるフォワード階層ベースの在庫モニタリング(Forward Echelon-based Inventory Monitoring in Semiconductor Supply Chain) には、昨年(ISSM 2006)に、同じ著…

ロードポートネックの解析への再度の挑戦

ロードポートネックについてですが、ある装置がロードポートネックでどの程度キャパシティが低下するかを計算することは実際上は困難です。 キャリア交換時間が一定であれば、「ロードポートネックの判定式(teとCETが変動しない場合)」で述べたように簡単…

搬送車の速度を速くすると生産量が増えるか?

ある人から、 「ある人が『搬送車の速度を上げれば(半導体)工場の生産量がそれに比例して増えるのだ。』と言っているのだが、それに有効に反論するにはどうしたらよい?」 と尋ねられました。その時、私はいろいろ複雑な話をしてしまったのですが、かえっ…

極私的ISSM2007ハイライト

ISSM2007のホームページから自分の興味だけで抽出した論文概要を今まで紹介してきましたが、ここにまとめておきます。(実は自分のためにまとめるのですが・・・) 小ロット生産のAMHS運用と装置フロントエンド設計への影響 The Effects of Small Lo…

半導体ウェハ・ファブのための動的ボトルネック装置ディスパッチングの方法

ISSMのホームページのここに掲載されている論文概要の抜き出しです。 MC P MC-P-175 An Approach of Dynamic Bottleneck Machine Dispatching for Semiconductor Wafer Fab Zhang Huai Shanghai Jiao Tong University In contemporary semiconductor waf…

費用のかからない生産性向上のためのフェーズ・ミックスかつ製品ミックスの、新しいディスパッチング・ルール

ISSMのホームページのここに掲載されている論文概要の抜き出しです。 MC P MC-P-178 Novel Dispatching Rule of Phase-mix and Product-mix for Cost-free Productivity Improvement Tomoya SAITO, and Yuta SATOU University of Tsukuba Wafer factorie…

ロット処理におけるデータ収集と装置処理時間見積りの方法

ISSMのホームページのここに掲載されている論文概要の抜き出しです。 MC P MC-P-075 The Methods of Data Collection and Tool Processing Time Estimation in Lot Processing Hisashi Hosoe Matsushita Electric (Panasonic) This article explains a n…

エリア間ロット配置:最短インターサイクルタイム

ISSMのホームページのここに掲載されている論文概要の抜き出しです。 MC O MC-O-048 Cross Area Lot Arrangement : Shortest Inter Cycle Time Yih-Yi Lee TSMC Wafer fabrication is the most complex process in Semiconductor Manufacturing Industry…