2009-01-01から1年間の記事一覧

半世紀

びっくりすることに、今日で半世紀生きてきたことになります。いろいろあったが概して平穏な人生でした。そのことには感謝しています。まず、戦争を体験せずにすんだこと。家庭を持てたこと。まだ向上心を捨てていないこと。大病をしなかったこと、今、して…

アルゴリズム8.1:分離可能モデルのための階層的分解解法

「「分解可能仮定」についての考察(2)」の続きです。 さらに「第8章 フロー等価と階層的モデル化」を読み進めていきますと、今度は「8.4.高レベル・モデルの求解」のところでひっかかります。このセクションについてはいろいろな箇所で引っかかるのです…

帰ってきました。

12/1には中山さん(id:taknakayama)、下川さん(id:Emmaus)、脇さん(id:Waki)、比嘉さん(http://blog.livedoor.jp/masayahiga/)、田中さん(id:pho)、カニさん(id:kany1120)、倉田さん(id:atkura)、(それから、ビキ2号さん(id:segawabikiさんの気持))、に…

「分解可能仮定」についての考察(2)

「分解可能仮定」についての考察(1)」の続きです。 総体のアウトプット・レートがその中の客にのみ依存するという仮定は、総体が補完体との連続するやりとりの間に局所平衡を達成するという仮定を暗示している。局所平衡とは、総体の振舞いがその開始時の…

「分解可能仮定」についての考察(1)

「第8章 フロー等価と階層的モデル化」は正直言って理解がよく出来ていません。そこで、翻訳は少し中断して第8章の記述をたどって吟味していきたいと思います。第8章の先頭から読んでいきますと、8.2.フロー等価サービスセンターの作成の以下の記述にまず…

逆瀬川氏の近似式の論文の和訳(3)

「逆瀬川氏の近似式の論文の和訳(2)」の続きです。 3. 数値例 前のセクションで提案した我々の公式の優位性を示すために、このセクションで若干の数値例を与える。 待ち行列、つまり、到着間隔時間分布関数がPerasonタイプIII分布関数(アーラン分布関数…

逆瀬川氏の近似式の論文の和訳(2)

「逆瀬川氏の近似式の論文の和訳(1) 」の続きです。 1968年 Marshall*1は待ち行列の若干のサブクラスについて平均待ち時間に関する若干の不等式を証明した。この論文で用いるその結果は以下のものである。 定義。確率変数の分布関数が増加故障レートを持…

12月4日、夜まで、更新を止めます。

逆瀬川氏の近似式の論文の和訳(1)

逆瀬川氏の重要な論文 An approximation formula (近似公式) がネットに出ていました。 Vol.29 Contents (1977) of AISM これはGI/G/s待ち行列の平均待ち行列長の近似値を与える、実務上非常に有用な近似式を導いたものです。論文は英語で書かれてい…

8.8.演習:Quantitative System Performance

「8.7.参考文献」の続きです。(目次はこちら) 8.8.演習 1. 第18章のFortranプログラムをフロー等価サービスセンターに対応するように修正せよ。(必要な修正は第20章に記述されている。) 2. アルゴリズム8.1を用いて、処理要求時間10のCP…

8.7.参考文献:Quantitative System Performance

「8.6.まとめ」の続きです。(目次はこちら) 8.7.参考文献 フロー等価サービスセンターはChandy他[1975]によって単一クラス分離可能ネットワークの厳密解を生みだすために示された。SauerとChandy [1975]は最初に近似としてのその使用を提示した。 大域バラ…

8.6.まとめ:Quantitative System Performance

「8.5.2.ハイブリッド・モデル化(2)」の続きです。(目次はこちら) 8.6.まとめ この章の主要なコンセプトは階層的分解と、1つのモデルを多くのより小さいサブモデルに分解する過程と、次にその各々が分離された状態で解析出来るということである。元の…

8.5.2.ハイブリッド・モデル化(2):Quantitative System Performance

「8.5.2.ハイブリッド・モデル化(1)」の続きです。(目次はこちら) 本質的に、この手法は前のサブセクションの手法と同一であり、シミュレーションが大域バランスの代わりをしている。我々がそれを提案する同期も同じである。つまり、我々は利用したい強…

8.5.2.ハイブリッド・モデル化(1):Quantitative System Performance

「8.5.1.大域バランス(4)」の続きです。(目次はこちら) 8.5.2.ハイブリッド・モデル化 ハイブリッド・モデル化はシミュレーションと解析のよい点を組み合わせる結合シミュレーション/解析解法である。非分離可能モデルをもたらすコンピュータ・システ…

8.5.1.大域バランス(4):Quantitative System Performance

「8.5.1.大域バランス(3)」の続きです。 最後にフロー・バランス方程式を、ある状態に入るフローの総レートがその状態から出るフローの総レートに等しいと設定することによって得られる方程式である、と定義する。フロー・バランス方程式は未知数が可能な…

8.5.1.大域バランス(3):Quantitative System Performance

「8.5.1.大域バランス(2)」の続きです。(目次はこちら) 大域バランスの詳細 大域バランス解法は待ち行列のかなり一般的なネットワークの解を計算するために用いることが出来る。この手法はある「状態」から別の状態へのシステムの遷移を解析することに…

「メディチ家の人びと」を読みました。

ここ数日、メディチ家の人びと メディチ家の人びと―ルネサンスの栄光と頽廃 (講談社学術文庫)作者: 中田耕治出版社/メーカー: 講談社発売日: 2002/07メディア: 文庫 クリック: 8回この商品を含むブログ (1件) を見る を読んでいました。以下は読書メモです。…

8.5.1.大域バランス(2):Quantitative System Performance

「8.5.1.大域バランス(1)」の続きです。(目次はこちら) この例は大域バランスを直接適用することが出来るほど小さい。しかし一般には、これは当てはまらない。さらに、優先スケジューリングはシステムの性能に重要な影響を及ぼすので、それをモデルに表…

メディチ家の滅亡

メディチ家の滅亡 (1983年)作者: 中田耕治出版社/メーカー: 青土社発売日: 1983/03メディア: ? クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る この本については、同じ著者の「メディチ家の人びと」以上に読んでいないので、ここに何か書くのもなんだかた…

8.5.1.大域バランス(1):Quantitative System Performance

「8.5.階層的モデル化の適用」の続きです。(目次はこちら) 8.5.1.大域バランス クローズド非分離可能ネットワークを評価するのに用いられる一般的な解析的手法は大域バランスと呼ばれる。大域バランス解法はこれらのモデルの振る舞いを記述する線形方程式…

8.5.階層的モデル化の適用:Quantitative System Performance

「8.4.高レベル・モデルの求解」の続きです。(目次はこちら) 8.5.階層的モデル化の適用 ここまで我々は分離可能待ち行列ネットワーク・モデルに関係してきた。一般のネットワークに比べての分離可能ネットワークの主要な利点はその解が非常に迅速に得られ…

(妄想)11月の星座

星空はこちらをご覧下さい→AstroArts 昔、ケフェウスというエチオピアの王様がいました。この王のお妃はカシオペアといって、美しい方でしたが、自分でもその美貌を鼻にかけていました。人間に対してのみ自分の美貌を鼻にかけておればまだよかったのですが、…

8.4.高レベル・モデルの求解:Quantitative System Performance

「[8.3.パラメータの獲得」の続きです。(目次はこちら) 8.4.高レベル・モデルの求解 高レベル・モデルを評価する最も明らかな方法は前章で開発した解析テクニックを適用することである。第20章で我々は負荷依存サービスセンターを含むネットワークの効率…

8.3.パラメータの獲得:Quantitative System Performance

「8.2.フロー等価サービスセンターの作成」の続きです。(目次はこちら) 8.3.パラメータの獲得 FESCの仕様を指定するのに必要なパラメータは可能なキュー個体数の関数としての個々のクラスについての負荷依存処理レートである。前述のように、レベルモ…

8.2.フロー等価サービスセンターの作成:Quantitative System Performance

「8.1.導入」の続きです。(目次はこちら) 8.2.フロー等価サービスセンターの作成 一般に、補完ネットワークに対して正確な結果を生成するFESCを見い出すのは可能ではない。しかし、適度に正確な近似を得ることは出来る。図8.3はFESCが使用され…

8.1.導入:Quantitative System Performance

「7.8.演習」の続きです。(目次はこちら) 8.1.導入 前の諸章でスタディしたモデルはその構造とその評価に必要なテクニックの両方において単純であった。しばしば、コンピュータ・システムのさらに詳細が表現出来るようにより洗練されたモデルを構築するこ…

第8章 フロー等価と階層的モデル化:Quantitative System Performance

8.1.導入 8.2.フロー等価サービスセンターの作成 8.3.パラメータの獲得 8.4.高レベル・モデルの求解 8.5.階層的モデル化の適用 8.5.1.大域バランス 8.5.2.ハイブリッド・モデル化 8.6.まとめ 8.7.参考文献 8.8.演習 第7章 複数ジョブ・クラスを持つモデルへ…

7.8.演習:Quantitative System Performance

「7.7.参考文献」の続きです。(目次はこちら) 7.8.演習 1. 複数クラス・モデルの単一クラス・モデルに比べての主要な利点は何か? 主要な欠点は何か? 2. 図7.2のオープン・モデルの例を以下の独立な変更を加えて手で評価せよ。 a. 両方の到着レ…

7.7.参考文献:Quantitative System Performance

「7.6.まとめ」の続きです。(目次はこちら) 7.7.参考文献 複数クラス・モデルに関するほとんど全ての業績は確率論の背景で遂行されてきた。Baskett他 [1975]の業績はオープンとクローズドとミックスドの作業負荷における分離可能モデルを説明したものであ…

7.6.まとめ:Quantitative System Performance

「7.5.理論的基礎」の続きです。(目次はこちら) 7.6.まとめ この章で我々は複数クラス分離可能待ち行列ネットワークに注目してきた。分離可能ネットワークはコンピュータ・システムの適度に正確なモデルであり効率的に解くことが出来るので、我々はそれに…