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短寿命市場環境と短サイクルタイム(2)

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5月16日の「短寿命市場環境と短サイクルタイム」についてブログを読んでくださるTさんからメールでご指摘を頂きました。 評価指標は販売機会損失の方が良いのでは?・・・・・ 販売機会損失の視点で行くとT2後に製品は突然売れなくなりますので 工場に…

短寿命市場環境と短サイクルタイム

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「多品種方針と1品種方針(2)」では短寿命市場環境においては多品種生産にならざるを得ないことを結論づけた。 「多品種方針と1品種方針(1)」で求めた多品種方針の売上げの式 ・・・・・(1) から、サイクルタイムが短いほうが売上げが多くなること…

多品種方針と1品種方針(2)

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「多品種方針と1品種方針(1)」で求めた式(1)と(2)を用いて、品種数が増えると評価尺度(1品種方針の場合の総売り上げ個数)/(多品種方針の場合の総売り上げ個数)がどのように変化するか、グラフに書いてみることにする。売れる期間を12ヶ月…

多品種方針と1品種方針(1)

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「短寿命市場時代の工場運営」で考えた多品種方針と1品種方針の優劣を調べる例について、その条件を変えた場合に結果がどう変わるか検討してみる。 売れ筋製品が売れる期間を1年から6ヶ月に短縮してみよう。すると1品種方針の場合は、売れる期間内に10…

短寿命市場時代の工場運営

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「ザ・ゴールにおけるスループット」「ザ・ゴールにおける在庫と経費」で考えたことの続きです。 現代では多くの製品の寿命が短い。製品そのものがすぐ故障してしまう、という意味ではなくて、その製品が売れる期間が短い、という意味で寿命が短い。そのこと…

Tさんからのメール

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いつも私のブログを見て下さるTさんから最近の私の「ザ・ゴール」の話題でメールを頂きました。その内容が参考になるので、これは私だけが見るのはもったいないと思いました。そこでTさんにお願いして公開の許可を頂きました。それを以下に示します。 いつ…

ザ・ゴールにおける在庫と経費

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「ザ・ゴール」では、在庫と経費を次のように定義している。 在庫 販売しようとする物を購入するために投資した全てのお金 経費 在庫をスループットに変えるために費やすお金 これらも私にはよく分からない。分からない点をまとめてみると以下のようになる。…

ザ・ゴールにおけるスループット

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「企業の目的はお金を儲けること」という仮定は、「お金か、ビジョンか」で検討したように怪しいが、話を単純にするため、この仮定を正しいとしよう。お金はある意味、共通言語であるから、このように仮定してもそれほど最適行動とズレることはないだろう。…

お金か、ビジョンか(つづき2)

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私はブックマークをつけてもらえることはめったになく、私にとってブックマークは貴重です。それなのに、TOCに関する話題「お金か、ビジョンか」で連続してブックマークを頂きました。ありがとうございます。 id:atsushifxさんからのブックマークには ビジョ…

お金か、ビジョンか(つづき)

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お金か、ビジョンかのつづきです。 まだ、ザ・ゴール ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か作者: エリヤフ・ゴールドラット,三本木亮出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2001/05/18メディア: ペーパーバック購入: 32人 クリック: 373回この商品を含む…

お金か、ビジョンか

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こんな状況(暗くなるのでもう具体的に言いたくないのだが4月21日に書いたような状況)になってふと思い出したのは、ゴールドラットの「ザ・ゴール」 ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か作者: エリヤフ・ゴールドラット,三本木亮出版社/メーカー: ダ…

ボトルネック以外をいくら改善しようが工場のスループットは増えない

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「ボトルネック以外をいくら改善しようが工場のスループットは増えない」というのは当たり前のことですが(特にゴールドラットのTOCに親しんだ人には当たり前のことですが)現実には忘れてしまうことがありますね。日本人は、全員がそれぞれの持ち場で努力す…

ゴールドラットの「ザ・チョイス」を買った

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ザ・チョイス―複雑さに惑わされるな!作者: エリヤフ・ゴールドラット,岸良裕司,三本木亮出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2008/11/08メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 38回この商品を含むブログ (93件) を見る 3日ぐらい前にAmazonから「ゴール…

「ザ・ゴール」から抽出した法則(蒸留済み)

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「ザ・ゴール」から抽出した法則で述べたことを整理します。 「ザ・ゴール」から抽出した法則(蒸留済み) 1.工場には、そのキャパシティを決定するボトルネック・ステーションが通常1つ、存在する。 2.ボトルネック・ステーションが多数存在する工場は…

「ザ・ゴール」から抽出した法則

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ここでは、「ザ・ゴール」から法則を抜き出すで提案したことの一応の結果を示します。 「ザ・ゴール」から抽出した法則 1.需要とバランスをとらないといけないのは生産能力ではなく工場の中での製品フローである。(p.218) 正直なところ私はこれの意味する…

第8章 新しい尺度 ではジョナは登場せず。

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「ザ・ゴール」から法則を抜き出すの続きです。 最後の「Ⅷ 新しい尺度」を読み終えました。しかしここにはジョナは登場しません。主人公のアレックス・ロゴは成長して、自分で、あるいは同僚たちと協力して問題解決をするようになったからです。そこではジョ…

ジョナ語録 in 第6章 つかの間の祝杯 と 第7章 報告書

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「ザ・ゴール」から法則を抜き出すの続きです。「Ⅵ つかの間の祝杯」から 「ところで、以前君に『みんながいつも働いている工場は非常に非効率的だ』と言ったのを覚えているかね。これで、その意味もわかってもらえそうだ」(p.318) 引用すると長くなるので…

ジョナ語録 in 第5章 ハービーを探せ

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「ザ・ゴール」から法則を抜き出すの続きです。 「Ⅴ ハービーを探せ」からジョナがいう生産システムの法則(あるいはルール)のようなものを抜き出します。 「・・・『生産能力』を需要に合わせては駄目だ。需要に合わせないといけないのは工場の中での製品…

共分散の理論?

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「ザ・ゴール」から法則を抜き出すの続きです。 「Ⅳ ハイキング」を読み終えました。ここは依存的事象と統計的変動が組み合わさったシステムの挙動を示す重要な章なのですが、ここからも法則あるいは格言めいたものは見つかりませんでした。一つ気になったの…

気になる言葉

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「ザ・ゴール」から法則を抜き出すの続きです。 「Ⅱ 恩師との邂逅」でジョナが初めて登場しますが、法則あるいは格言めいたものは登場しませんでした。ただ、気になる言葉として以下がありました。 「生産性とは目標に向かって会社を近づける、その行為その…

「ザ・ゴール」と「ザ・ゴールⅡ」の登場人物。

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「ザ・ゴール」から法則を抜き出すのつづきです。「Ⅰ 突然の閉鎖通告」を読み終えたのですが、まだジョナが登場せず、ジョナのつぶやく謎めいた「法則」(むしろ格言か?)が登場しません。 その代わり、変なことに気を取られました。「ザ・ゴール」と「ザ・…

「ザ・ゴール」から法則を抜き出す。

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もう一度、ゴールドラットの「ザ・ゴール」 ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か [ エリヤフ・M.ゴールドラット ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 小説・エッセイ > 外国の小説ショップ: 楽天ブックス価格: 1,728円 を読み直して、生産システムの法則にな…

「ザ・ゴール」に登場するジョナが研究している「科学」

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ゴールドラットの「ザ・ゴール」ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か作者: エリヤフ・ゴールドラット,三本木亮出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2001/05/18メディア: ペーパーバック購入: 32人 クリック: 373回この商品を含むブログ (391件) を見…

ボトルネックのスケジューリングにはスケジューラを使え?

鋭い論理で工場運用の革新の方法を説いてきたゴールドラットのTOCですが、半導体ファブのように繰り返し工程が多く、さらにそれがセットアップと絡む場合、どのように適用すればよいのか、途方にくれていました。特に「さまざまな課題」で述べたように「…

ゴールドラットのヴァイアブル・ヴィジョン

共通の興味を有する方々とお話しする機会を得て、その時の話題から触発されて、TOC(Theory Of Constraint:制約理論)で有名なゴールドラット博士の最近の活動のタイトルである「ヴァイアブル・ヴィジョン(実現可能な将来像)」を思い出しました。私は…

バッチサイズ再考

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「ロットサイズ縮小によるセットアップ(段取り)増加について」で述べたことをもう一度考え直します。「ザ・ゴール」をもう一度、引用します。 「・・・ところで昨日の晩、ジョナとまた話をしたよ」 「ずいぶん改善できたって報告されたんですか」 「ああ。…

ボトルネックの重要性

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2日のロットサイズ縮小によるセットアップ(段取り)増加についてで ボトルネックが一時間遊ぶ(処理を行わない)ことは、工場全体が一時間遊ぶことに等しい ということについての「ザ・ゴール」の中に印象的な場面があったというお話をしましたが、 今日は…

ロットサイズ縮小によるセットアップ(段取り)増加について

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29日の再びロットサイズ縮小の効果で ロットサイズを決定しているのは、搬送キャパシティとセットアップの回数と時間 という主張を述べました。搬送キャパシティについては解析が難しい(搬送シミュレーションに頼らざるを得ない)が、セットアップについ…

バッチサイズ

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ロットサイズで述べたのとほぼ同じことが、エリヤフ・ゴールドラットの「ザ・ゴール」ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か作者: エリヤフ・ゴールドラット,三本木亮出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2001/05/18メディア: ペーパーバック購入: 32人…

第3章 最適化(2)

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第3章のセクション10で、もうひとつ私がひっかかったのは「バッファー・マネジメント」という言葉です。これの意味するところがよく分かりません。「バッファー・マネジメント」の登場するところを以下に引用します。 「ええ、もちろん」ゲリーは胸を張る…